キッチンカー 起業・独立開業までのステップ〜完全マニュアル〜

わたあめ屋さんのキッチンカーを開業して、約4年になります。

廃業率が高いと言われる、この業界で今でも生き残れています。
有難いことに、むしろ縁が広がり、出店規模が拡大しております。

また、「キッチンカー場所作りプロジェクト」として、
キッチンカーの活躍できる場所を拡大させ、
更に自らもキッチンカーマルシェを開催しております。

そして、2024年に行政書士としても開業し、
キッチンカーをこれから開業される方などの相談も承っています。

そんな現役のキッチンカー、イベント主催者及び行政書士である店主が開業までのステップを完全解説します。

自ら体験した経験が基になっていますので、
よりリアルな情報を詳細にお伝えできると思います。

これからキッチンカー開業を目指している方々の参考になれば幸いです。

それではいきましょう。

目次

STEP1:なぜキッチンカーをやりたいのか、今一度考えてみる。

「あなたは、どうしてキッチンカーをやりたいと思ったのですか?」
「あなたが販売したい商材は何ですか?」
「どうしてその商材を販売したいのですか?」
「そもそもなぜ、独立して起業・開業したいのですか?」

そのようなあなたの「想い」を今一度確認してみてください。

最初に言っておきますが、
キッチンカー業界は決して甘い業界ではありません。
むしろ厳しい業界です。

よくあるキッチンカー開業セミナーでは、
キッチンカー業界の良いところしか言いません。
目的は、あなたのキッチンカー開業を応援する為ではなくて、
あなたにキッチンカーを販売することが目的です。
だから、キッチンカーをあなたに販売したら目的達成で、
その後の支援は一切ありません。

それに、キッチンカー業での売上平均は数ある業界の中でも決して高くありません。
よくネットやSNSで「イベントで1日で何十万稼いだ」等を目にしたことがあるかもしれませんが、
そのようなイベントは滅多にありません。
また、そこから出店料、仕入れ代、スタッフ費用、移動・燃料費等の経費を差し引いて
どれだけ手元に残るかも計算に入れなければいけません。

また、雨の日は売上が激減します。
そのことは念頭に入ってますか?

また、キッチンカー業は肉体労働です。
現場への移動、開店準備、営業、閉店準備、後片付け、仕込み、買い出し等、
体力を使う仕事ばかりです。
毎回20kgはある発電機を車体から上げ下ろしできますか?

夏は車内温度50℃近い中での販売。
汗だくになり、常に熱中症への不安と隣り合わせです。
冬はその逆に寒い中、外での作業です。
冬の雨の中、ずぶ濡れになりながら後片付けをすることも多々あります。

更に、ここ数年でコロナ時期のキッチンカーブームもあって、キッチンカーが激増しています。
どの出店場所もキッチンカーで溢れかえっているレッドオーシャンです。
その中で生き残れる自信はありますか?

「夏はとりあえず、かき氷を販売しておけばいい」
みたいな安易な考え方のキッチンカーはその内、淘汰されるでしょう。

あなたのお店でなければいけない理由は何ですか?
お客様があなたのお店から購入したいと思えるものを確立することが大切です。

色々、厳しいことを書かさせて頂きましたが、
先ず最初にこのキッチンカー業の仕事のことを知ってもらいたかったからです。
それでもなお、「あなたがキッチンカーをやりたい
と思ったのなら、この先の記事へ進んで下さい。

STEP2:販売する商材を決める。

キッチンカーを始めるにあたって、先ずは販売する商材を決めます。

マーケティング的にどの商材が良いなどはあるかも知れませんが、

販売商材については、自分のやりたい商材にした方が良いです。

そうでないと長続きしません。

お店などで調理経験があれば、自分の得意な料理でも良いと思います。

その商材に対する強い思いがあると、色々試行錯誤・創意工夫しながら

商材もブラッシュアップしていくと思います。

いかに情熱を持って取り組めるかが大事です。

また、季節によって販売する商材を増やすのはありだと思いますが、
メイン商材をコロコロ変えるのはお勧めしません。

例えば、焼きそば売って、たこ焼き売って、ドリンクも売って、ポテト、かき氷も売ってなど
イベント等で人気商材をなんでも扱っているキッチンカーをよく見かけます。

その場では、売れるかも知れませんが、客観的にみるとそのキッチンカーが何屋さんだかわかりません。

つまるところ、「あなたのお店でなければいけない理由は何ですか?」に応えられないのです。

これは、イベント等を主催する側からの視点でみると、「あなたのお店でなくても別にいい」になります。

つまりは、イベント主催者、出店場所を提供する側からのお声がけは少ないということになります。

そうなるといつまで経っても、
キッチンカーの出店場所仲介業者に依存する形や
絶えずキッチンカーの出店場所を探し続ける日々が続きます。

つまりは「出店料を搾取され続ける側になる」ということです。

それが嫌ならば、
軸になる商材を決めて、その商材を徹底的にブラッシュアップさせた方が良いです

そうすることで、
お客様もあなたのお店のあの商材を食べたいからとリピートしてくれることになります。
そうしてファンになって頂けると毎週のようにご来店頂いたり、遠方であっても来店して頂けたりします。

また、主催者・提供者側からも「ぜひあなたのお店に出店してほしい」と
出店のお誘いを頂けることにもなります。
そうなると、高額な出店料を払うこともなくなり(寧ろ逆に出店料を頂くケースもあります)
出店場所探しに日々あくせくすることもなくなります。

STEP3:徹底的にリサーチする。

キッチンカーを始めることを決意し、商材も決まったのならば、
次は徹底的にキッチンカー業界のこと、商材のことを調べます。

私がキッチンカーでの開業を決意したのは4年前になりますが、
当時ではそれほどWEB上に情報はありませんでした。

今は、各ホームページ・SNS(Youtube、Instagram、X等)に様々な情報が載っていますので、
それらを利用して徹底的に調べます。

・キッチンカーを注文するのはどの業者がいいのか。
・出店場所はどのような場所があるのか。
・営業許可、必要な資格は何があるのか。

などは、WEB上から調べることができます。

次は、実際に営業しているキッチンカーを訪問してみることはお勧めします。

人気があるキッチンカー、自分が気になるキッチンカーの実際の営業しているところを
見ると色々な気付きがあると思います。

あと、迷惑にならない範囲で実際にお店の人の話を聞いてみることも良いでしょう。
当時の私も、事前にアポイントを取り、店主のお話を伺ったりしました。

また、たまにアルバイトスタッフを募集しているキッチンカーもありますので、
思い切って応募し働いてみるのも良いと思います。
リアルな現場を体験することで、理想と現実の擦り合わせが出来ると思います。

次に、自分が扱う商材についても徹底的にリサーチする必要があります。
気になるお店には実際に訪問して、味・雰囲気・価格・サービス等を
チェックします。
私もわたあめ屋さん巡りで原宿のお店に行ったり、催事店を訪問しました。
自分のお店作りのイメージを膨らませたり、参考になると思います。

また、キッチンカー開業セミナーに参加するというもありますが、
こちらには危険性もあるので注意しましょう。
基本的な業界概要を知るには良いと思いますが、のめり込むことは危険です。
あくまで俯瞰的な視点で情報の一部を知るために参加するという気持ちが大事です。

なぜなら、上記にも述べましたが、これらの業者の最終的な目的は、
キッチンカーの販売」にあるからです。

セミナーを受けた後に、更に希望者には、個別相談等があり、
それに申し込むとキッチンカー販売の流れになっていきます。
セミナー主催者側はもちろん自社のキッチンカーを販売したいので、
あれこれ利点をアピールしてきます。
それらを鵜呑みにしてその場の勢いでキッチンカーの注文をすることだけはやめておきましょう。

後述しますが、今キッチンカー販売会社は多々あります。
1社だけでなく、数社は実際に訪問し、見積もり等を取ってから決断することを強くお勧めします。
キッチンカーは一番高額な買い物になりますので、
後で後悔しないよう、ここは慎重な判断でいきましょう。

STEP4:開業資金を試算する。

キッチンカーの車体費用

キッチンカーでの開業には当然お金が必要になってきます。

そこで、キッチンカーで開業しようとする場合の資金がいくら必要なのかを試算します。

一番大きな出費は「キッチンカーの車体」になります。

新車で買うか、中古で買うか。

軽バンサイズ、軽トラタイプ、1t、1.5tクラス等の車体によっても費用は変わってきます。

あとどこの販売会社から購入するかでも変わってきます。

下記は一般的な相場及びメリット・デメリットになります。

車体タイプによる価格相場

その他 費用

車体費用の他に、
調理機材、発電機、冷蔵庫、冷凍庫、梱包資材一式、販促代、営業許可・食品衛生資格取得費用等が掛かってきます。
もちろん個々で変わってきますが、大体50万くらいの試算になります。

こうしてみると、一番安く抑えて約150万、高額の場合で約650万くらいかかると試算できます。

自分のやりたい商材に合うタイプを自己資金を加味しながら選択していく必要があります。

また開業してから数ヶ月分は生活できる運転資金も準備しておいた方が無難です。

最初の数ヶ月は出店先探しにあたり、すぐに売上に結びつかないからです。

出店先を探す場合、主催者、提供者側から営業許可証を求められる場合が多く、
営業許可証は車体が出来てからの取得になり、
必然的に車体が出来てから、2〜3ヶ月後に初出店となるケースが大半になります。

STEP5:創業融資制度を利用する。

「手元に自己資金がそれほど無い、でもキッチンカーで開業したい」
という場合は、融資を検討することになります。

「自己資金が貯まるまでは、開業するべきではない」
という考えもありますが、私は、融資には賛成派です。

私も、開業前に自己資金がそれ程なく、融資を利用した身です。

結果、融資を利用して良かったと思っています。

開業資金を貯めるまで、何年かかりますか?

その間に状況や気持ちが変わるかも知れません。

結局は何も動かず現状維持のままっていうパターンは多いです。

よく言われますが、「現状維持は退化」です。

現状維持を打破したい為に、独立開業を試みるのでは無いのですか?

また、融資は、開業時が一番借りやすいです。

「創業融資制度」が日本政策金融公庫に設置してあり、こちらを私も利用しました。
詳細がこちらの記事にまとめてありますので、良かったら読んでみてください。

「経営者」という視点でみても、融資を利用することは、決して悪いことではありません。
企業が銀行等から融資を受けている割合は80%以上です。
企業としては、借りられるうちは借りて、自己資金を確保しておいた方が安全だからです。

融資は資金調達の手段です。

新しい事業をつくり、そのための投資を行い、新たな収益でさらに企業を成長させていくサイクルをつくるために、
借入は有効な手段になりますし、成長を促進する源泉ともいえます。

無借金にこだわることは、そのサイクルをつくりにくくする原因になると認識するべきです。

 

STEP6:キッチンカー制作・販売会社を訪問し見積もりを取ろう。

自己資金も準備出来たら、いよいよキッチンカー契約へと動き出します。
キッチンカータイプも決まりましたでしょうか?

決まったのならば、
今キッチンカー制作・販売会社は数多くありますので、
数社は実際に訪問して、見積もりを取りましょう。

このキッチンカーの見積書は、融資を受ける際にも必要な書類になります。

くどいようですが、セミナーを受けてその場の勢いで、
その会社のキッチンカーを契約することだけは辞めてください。
実際にそのような方を沢山みてきて、仕様に合わない高額なキッチンカーを契約し、
その後苦労されているのを沢山みているからです。

キッチンカー制作会社によって、得意なスタイル・販売形態があるので、
その辺りも確認しましょう。

オーダーメイド仕様にできるのか、パック売りなのか。
跳ね上げ扉か、オーニングタイプか。
など色々な仕様があります。

どのような仕様にしたいかは、販売する商材に合わせてや、
実際にキッチンカーを下見するなどして具体的なイメージを立てておきましょう。

また、そのキッチンカー制作会社の販売実績もしっかり確認しましょう。

・法的な営業許可取得に対応しているか?
・ボックスの作りはしっかりしているか?
・8ナンバーに対応可能か?

ひどいところは、納車後すぐに雨漏りや扉の開閉に異様な力がいる等の問題が発生するケースもあります。
安かろう悪かろうでは目も当てられません。

このあたりはその販売会社をWEB上や各SNS等で検索してみると、
過去にその販売会社で購入された方の口コミや記事を確認することができると思います。

アフターフォローがしっかりしているかどうかも大事な要素です。

・キッチンカーの車検に対応してくれているか。
・事故や故障時に対応してくれるか。
・車両保険の取り扱いはあるか。

この3点は最低限確認しておきましょう。

キッチンカーの車検対応してくれるディーラーは少ないし、
キッチンカーは何かとトラブルが多いです。

高さ制限を忘れてぶつけたり、跳ね上げ扉が開いてぶつけたり等々。
いざという時に、対応してくれる販売会社や保険会社、担当者がいると心強いです。

 

STEP7:キッチンカー制作・販売会社が8ナンバーに対応しているか確認しよう。

こちらも大事な要素になりますが、キッチンカー制作・販売会社が「8ナンバー」仕様に対応しているかどうかが重要です。

私の今まで数多くのキッチンカーを見てきた中での所感ですが、
現状、軽トラックタイプで8ナンバーにしているキッチンカーは約6割位だと思います。

逆に4割は、4ナンバー(黄色のナンバー)ということになります。

私の結論から申しますと、

キッチンカーを購入する際には、必ず「8ナンバー」にしましょう

では、なぜ8ナンバー仕様にした方が良いのか説明していきます。

そもそも8ナンバーとは

車は普段私たちが利用する普通車や軽自動車だけでなくパトカー・救急車・レッカー車など数多くの種類があり、これらの車は役割ごとに分類されています。

そのなかで、どの車が8ナンバーに当たるのか、またどのような意味があるのか確認していきましょう。

一言で言うと、8名ナンバーは「特殊用途自動車」に該当します。

警察車両や給水車、消防車など一定の条件下において使用されたり、特殊な用途に使われる設備・装置などを備えていたりする車です。
その中でも更に下記4つの定義に分類されます。

キッチンカーも8ナンバー仕様に登録することができることになります。

なぜキッチンカーは8ナンバーにした方が良いのか

重要なこととして、軽トラックのキッチンカーは「4ナンバー」か「8ナンバー」によって、
「そのままで車検に通るかどうか」が異なります。

基本的に4ナンバーのキッチンカーはそのままでは車検に通りません。

4ナンバーの場合、小型貨物自動車(軽自動車)としての登録になるので「高さ2mまで」という法的制限あるからです。
(軽トラックタイプのキッチンカーはボックス部分を含め高さ2m50cm程になります)

ではなぜ、4ナンバーのキッチンカーが存在するのか?

通常であれば4ナンバーの場合、
「車検前にボックス部分をを外す対応しているから」ということになります。

通常、軽トラックのキッチンカーは簡単に外れないようにボックス部分がボトル等でがっちり固定されています。
重量も相当なものです。
それをいちいち車検の度に取り外しすることは相当な手間がかかります。
これからの作業を毎年の車検(4ナンバーは毎年)時に本当にしているのでしょうか?

ちなみに、ボックスを外さないで車検に通しいる場合、
ボックス部分を「荷台」(荷物)という体にしている可能性があります。
但し、「荷台」という定義には、「工具を使わずに取り外しができるかどうか」という条件があります。
なので、キッチンカーのボックス部分は通常は荷台としては認められないのですが、
現状はそれで通しいるようです。

厳密にいうと、この行為は、道路交通法違反に該当します。

だから、かなりグレーな部分となっています。

仮に、道路を走っている時に、警察に取り締られても、法的には違法なので従うしかありません。

また車検の更新頻度も、
4ナンバー:1年毎
8ナンバー:2年毎
という違いがあります。
自動車税、重量税等は8ナンバーに比べ安価ではあるものの、
毎年の車検料や荷台の脱着料を加味すると割高になるでしょう。

更には、保険会社としても、上記の理由から4ナンバーでは
いざという時、保険がおりない可能性があります。

そのような理由から、キッチンカーは8ナンバー登録にした方が無難です。

また、途中から4ナンバーから8ナンバーに変更するのは、
かなりの手間(書類等)と費用がかかりますので、
最初から8ナンバー登録にしておいた方が良いです。

キッチンカーの契約・仕様決定

どのキッチンカー制作販売会社にお願いするかを決めたのならば、
いよいよキッチンカーの契約となります。

中古車や既に完成車の場合は、即入車という流れになりますが、
新たに制作する場合、仕様を決めていくことになります。

主には外観・内装に関わる部分になります。

ここまで調べた知識、実際に見て回ったキッチンカー等から、
自分の理想のキッチンカーを仕上げていくことになるので、
今までで一番楽しい時からもしれません。

また、キッチンカーを契約してから、実際に納入されるまで、
販売会社にもよりますが、セミオーダーの場合、
2〜3ヶ月くらいかかることを想定しておきましょう。

但し、その間にしなければいけないことは結構ありますので、
意外に早くすぎる感覚になると思います。

外観について

配色・フロント部分の変更、窓の仕様、屋根(オーニング)の仕様、エアロ仕様
等々になります。

こちらは予算の兼ね合いもみながら、自分の好みで良いと思います。

個人的には、多少予算が掛かっても、
お洒落、かわいい等のコンセプトにはこだわった方が良いと思います。

なぜなら、そのようにキッチンカーの外観に個性、世界観があった方が、
出店のお声がけを頂ける可能性が高いからです。

また、外装でお店の名前やロゴ等をキッチンカーに装飾しているのを見かけますが、
こちらも自分の好みで良いと思います。
普段の走行中に宣伝になる等のメリットはあるかもしれません。
1つ注意点としては、
後で取り外しできるようにしておいた方が無難ということです。
塗装ではなくて、ラッピングやカッティングシートの方が良いでしょう。
後で、何かしらの理由でキッチンカーを売却しなければいけなくなった際に、
やはり店名やロゴが入っていると査定にマイナスになるからです。

あと、細かい部分ですが、タペストリー、のぼり等の設置方法を決めた方が良いです。
制作の段階で、それらの設置部品を取り付けてもらうと後付けするより楽になります。

内装について

あなたのお店がどの商材を扱うかによって変わってきますが、
水道、シンクタンクの位置、機材置き場、冷蔵・冷凍庫、作業場所、収納場所、棚、電気系統、コンセントの位置
等を決めていくことになります。

各機材の寸法を測り、それらをどのように配置するかを決めることになります。
その際、作業台・棚等の高さも気を付けましょう。
機材を設置した際の高さを測り、作業台の高さも可能であれば調整することになります。
また、営業許可取得の際に、車内図面も提出しなければなりませんので、必要な作業になります。

特に、販売動線、オペレーションの流れを想定して動きやすい配置にすることが求められます。

あと断熱材の有無も確認しましょう。
キッチンカーの夏場の暑さ対策、冬の寒さ対策は必須です。

個人的には、スペースと予算に余裕があるなら、エアコンもほしいところです。
近年の夏の暑さは本当に死活問題なので、検討の余地はあると思います。

あと大事なこととして、キッチンカーの営業許可取得の要件を満たしていることです。
後述しますが、
販売する商材によって営業許可の種類も違ってきます。
また、都道府県、各保健所によっても要件が違っていたりするので、
事前に所轄の保健所に営業許可要件を確認しておきましょう。

お店の屋号・ロゴを決める。

キッチンカーが完成するまである程度の期間がありますが、それまでにやることが結構ありますので、
それらを順に説明していきたいと思います。

先ずは、お店の屋号・ロゴデザインを決定しなければいけません。
これらはそのお店をやっていく限りずっとそのお店の顔になり、名前になるので重要視しましょう。

キッチンカーの屋号

「覚えやすいのが良い」「長い店名は避けた方が良い」等ありますが、
あまり気にせず、自分の気に入った名前にした方が愛着も湧くし良いと思います。

あと気をつけたいのが、
既存のお店で名前が被っていないかを確認しましょう。
商標登録されている商品名とは違い、屋号は被っていても違法にはなりませんが、
どうせなら独自の名前が良いですよね。
私の場合は、お店の名前を決めたらその名前をgoogle等で検索し、
同じ名前が出てこないかをチェックしました。

また念の為、その名前が商標登録されていないかも確認した方が無難です。
商標登録の有無を調べるサイトがありますので、それらを利用しましょう。
商品名等を付ける際も商標登録の有無は気を付けましょう。

キッチンカーのロゴ

キッチンカーを営業するにあたって「ロゴ」は合った方が良いです。

そのお店の顔になるからです。

中には、ロゴがないキッチンカーもいますが、
ホームページや各SNS及びキャップ・Tシャツ等のグッズにはロゴは必須だと思います。

効果としては、視認性が上がり、覚えてもらえやすくなります。

ロゴ作成には、ある程度デザイン性が必要になってきますが、
私は残念ながらデザイン性が皆無だったのでロゴの作成はアウトソーシングしました。

アウトソーシングを活用する手段として、クラウドワークスを利用しました。
その時の記事がこちらです。

ロゴ作成をアウトソーシング

結果的には、1つのロゴを選ぶのが大変悩む程、とても有意義な活用になりました。
ちなみに、行政書士の事務所を開業する時も、ロゴ作成は、クラウドソーシングを利用しました。

ロゴが決まったら、名刺も作ってしまいましょう。
出店先探しの際に必要になりますし、場所提供者の方や同業の方達にも配る機会がありますので、
名刺も合った方が良いアイテムになります。

お店のホームページの制作、各SNSを始めよう。

キッチンカーを契約してから、実際に納車されるまで新車の場合、およそ2〜3ヶ月くらいかかりますので、
その間にホームページの制作、各SNSの運用を始めておきましょう。

どうしてホームページを作った方が良いのか。

先ずは、ホームページですが、
私的には、お店のホームページを持つことは必須だと思います。
実際に当店のホームページを見て頂き、イベント等への出店依頼を頂けたのは数多くあります。
また、ホームページを見て知って頂き、来店して頂けるお客様もいると思います。

キッチンカーは固定店舗ではないので、ホームページに
毎月の出店予定を載せることで、いつどこで出店するのかもご確認頂けます。

あと個人的には、
自分がしてきたこと、感じたことの軌跡を残せることに意義を感じます。
今までこの当店のホームページでも数々の軌跡を記事にしてきました。
この記事に共感してくださった方からの感想や実際に遠方からわざわざ会いに訪問して頂いたことも多々あり、
とても励みになっています。

ホームページとSNSとの違いは、過去の記事も見てもらいやすいという特徴があると思います。
インスタグラムやXは発信直後は見てもらいやすいですが、
過去の発信まで遡ってみてもらえることは少ないです。
その点、ホームページは自分で閉鎖しない限り、半永久的にWEB上に残り、
また過去の記事も見てもらえやすいです。

今は、どの企業、お店もホームページは作成している時代ですが、
キッチンカー業界においては、いまだにホームページをしっかり作って運用しているキッチンカー事業者が少ない特徴があります
ですので、ホームページをしっかり作るだけで他キッチンカーと差別化ができます。

当店のホームページは「わたあめ キッチンカー」等でgoogle検索して頂けるとわかりますが、
数ある仲介業者やキッチンカー制作販売会社のホームページを差し押さえて
ずっと検索トップに表示されています。
それだけ見られる回数が増えるということに繋がります。

逆にインスタ・X等のSNSを運用しているキッチンカー事業者は大半なので、
そこで差別化を図っていくのはなかなか難しいと思います。

ホームページの作り方

では、どうやってホームページを作っていくのか?

今は簡単に作れるホームページ作成支援のツールは沢山あります。

代表的なのは「ペライチ」「jimdo」「Wix」「アメブロ」等になります。

しかし、折角作るのであれば、「wordpress」で作るべきです。

理由としては、

等があります。

費用的には、運用であれば月2,000円弱で維持できます。
wordpressで作成するにあたりテーマを選択するのですが、
そのテーマは数多くあります。
自分の作りたいホームページのイメージに近いテーマを選択しましょう。
無料のもありますが、できることに制限があるので、
有料でも自分に合ったものが良いと思います。

あと、ホームページ制作会社に作ってもらうという手段がありますが、
その分費用も上積みになるので、金銭的に余裕があるのならば検討してみても良いでしょう。
但し、費用が高い悪い割には、効果が今ひとつみたいな悪評も多いのでどの制作会社に依頼するかは注意が必要です。

私は、ホームページ制作に関しては全くの素人でしたが、
一からコツコツ作成して、ここま出来ました。

私が最初ホームページを作った目的が、
「自分のしてきた軌跡を残す」の意味合いが大きかったので、
ある意味好きなように自由に作ってきました。
だから、あまりSEO(検索上位にのせる為のテクニック的なもの)等も意識せずに作ってきました。

それでも、一定数は見られるホームページにはなっているので、
先ずはやってみることが大切だと思います。

キッチンカーにとって各SNSを始めることは必須です。

今は誰でも自分のアカウントは持っていることと思います。
それだけ、人々に深く浸透しているので、お店アカウントでのSNS運用は必須項目になります。
ホームページと違い、キッチンカー事業者の大半が何かしらのSNSを運用しています。

特にキッチンカーは、店舗と違い日によって出店場所が変わるので、
出店場所をお客様にお知らせするのに、SNS活用が必須になります。
雨天などによる急なお休み、時間変更等の連絡もSNSで行います。

また他の活用方法として、
他キッチンカーがどのような出店場所・イベント等にも出店しているのか調べることができます。
イベント主催者側・場所提供者側が、イベント出店募集等をSNS経由で募集しているのも多いですし、
直接出店依頼がDMでくることもあります。
また、キッチンカー事業者同士の横の繋がりとして連絡を取り合うのにも利用されます。

このように様々な活用方法があり、しかも無料で始められるということもあり、
メリットが多大なので、やらない手はないです。

では何から始めたら良いのか?

代表的なのは、「Instagram」「X」になります。
その他には、「Youtube」「Facebook」「Tik Tok」
少しマイナーなものとして、「note」「stand FM」「Threads」
等があります。

いきなり全部を始めるのは、大変なので自分に合った媒体から始めてみても良いでしょう。
例えばインスタグラムは写真中心、Xは文字中心など、
各SNSによって仕様、特徴・年齢層・影響力等に違いがあるので、その辺りは自分のお店に合ったものが良いと思います。

最初は人気のあるキッチンカーのSNSを参考にして発信してみても良いでしょう。
発信を続けることによって徐々にフォロワーも増えていきます。
発信方法も自ずと自分に合ったものになってくると思います。

あと幅広くSNSを運用することとのメリットとして、
それだけ、google等の検索結果に載りやすいということがあります。
特に、「Instagram」「X」「Youtube」は検索上位に載りやすい印象があります。

食品衛生責任者の資格を取得する。

食品衛生責任者とは、食品衛生法に定められた規則に従って、施設において衛生管理の中心の役割を担う、食品衛生責任者資格を持つ人のことを指します。

食品衛生法の改正によって、令和3年6月1日から、原則として許可や届出の対象となるすべての施設では食品衛生責任者の設置が義務となりました。

キッチンカーも対象となっており、キッチンカーで営業するにあたって、食品衛生責任者を配置することは義務になります。

その為に、キッチンカー開業までに、この資格を取得しなければいけません。

食品衛生責任者の資格取得方法について

資格要件としては、次のいずれかに該当する人と定められています。

1、2に該当する人はそのまま、食品衛生責任者になることができます。

それ以外の人は、各都道県知事等が実施する食品衛生責任者の養成講習会を受けなければいけません。

例えば、東京都では一般社団法人東京都食品衛生協会が、東京都知事の認定を受けて、養成講習会を実施しています。
会場集合型では一日の講習を受けることで資格が取得できます。
特に難しいことはありませんので、安心してください。

私が約4年前に受講した時はありませんでしたが、今ではeラーニングコースがあり、オンラインで資格が取得できます。
参考ホームページはこちら。

https://www.toshoku.or.jp/training/seki-gaiyou.html

会場集合型で受講する場合、
結構満席になることがあるので、早めに予約することをお勧めします。
この資格は全国共通なので、県をまたいで取得しても問題ありません。

また、この資格には有効期限はありませんが、
食品衛生法で「食品等事業者は、自らの責任において、販売食品等の安全性を確保するための知識の習得等に努めなければならない」と定められており、
各自治体で「食品衛生責任者実務者講習会」という食品衛生責任者を対象とする講習会が実施されているので、
定期的に、受講することが推奨されております。

商品試作からメニューを立案していこう

商品試作の際に気をつけること

キッチンカーが納入されるまでに、可能であれば、
自分の販売したい商材の試作作りに挑戦していきましょう。

商品のクオリティを上げることももちろん大切ですが、
実際に作るのはキッチンカー内という限られた空間での作業になります。

その限られてた空間で、どのような動線にするか、
オペレーションをいかに回すかを検討しなければいけません。

キッチンカーにとって、商品の提供スピードは大事な要素になってきますので、
いかに無駄な作業をなくし効率化していくかを検討しなければいけません。

これらは、実際に営業しながら日々改善の作業になりますが、
今のうちから検討しておいて損はないでしょう。

試作をしながら必要な機材・備品等も徐々に準備しておきましょう。

メニュー立案の際に気を付けること

販売する商品が定まってきたら、メニュー構成も検討していきす。

先ずはあなたのお店で何をメインに販売していきたいのかを決めます。

そこから、味の種類、トッピング内容、提供方法等のバラエティを検討していきます。

最初から、バラエティに富んだメニュー展開が難しかったら、
徐々に増やしていくのも良いでしょう。

そして、販売単価も検討していきます。
原材料費等から差し引いて利益をいくら確保したいかを計算して単価を算出する方法が一般的ですが、
最初はリサーチした同業界の販売単価を参考にしても良いでしょう。
販売単価は後からでも変更することは可能なので、最初はざっくりでも
私的には良いと思っています。

但し、気をつける点としては、
安すぎる単価設定にはしない方が良いです。
単価が安ければお客様数は伸びるかもしれませんが、
その労働分の収益を確保しずらいからです。
よく「薄利多売」と言われますが、この働き方は体力・気力を奪われます。

それよりかは、いかに付加価値を高めるかを重視した方が良いです。
あなたのお店にしかない価値を提供できれば、
価格が多少高くでも、お客様は購入して頂けます。

いよいよキッチンカー納車。その当日にしておいた方が良いこととは?

ついにキッチンカー納車日が決まりましたでしょうか?

ここまで結構ソワソワした日が続き、長く感じたかもしれませんね。

待ちに待った納車日ですね。

その当日に是非やっておいてほしいことがあります。

それは、「その時の気持ちを何かしらの記録に残しておくことです。

動画でもブログでも音声でも構いません。

これからキッチンカーを開業して、もちろん嬉しいことや楽しいこともいっぱいあるのですが、
つらくて大変なこともいっぱいあります。
挫けそうな時も何回も訪れます。

そんな時にこの時の「自分の想い」を思い出してください。

どうしてキッチンカーをやろうと思ったのか。
なぜこの商材を販売したいと思ったのか。
などそれぞれの熱い想いがあると思います。

それを思い出して再起する為に、記録を残すことが大事だと思っています。

この記録を残すことは、キッチンカー営業初日にもぜひやってほしいと思います。

あとはやはり車の運転に慣れることが必要になります。

軽トラックタイプのキッチンカーは特に車高が高いので注意してください。
乗用車気分で運転すると思いもよらないところでぶつけて泣くことになります。
そういう私も営業初日前に松屋のドライブスルーで屋根の存在に気が付かずボックス部分をぶつけて泣きました。

結構、施設の駐車場やドライブスルーなど高さ制限があるところは多いので、気を付けましょう。

商品の写真撮り、メニュー表の作成

試作を何回か繰り返し、販売する商品の形が決まったら、写真撮影をします。

この商品画像は、メニュー表やタペストリー等、色々な場面で使用するので最高の写真を撮りたいところです。

その為には、プロのカメラマンにお願いする手段もありだと思います。

しかし、費用を抑えたいのなら自分で撮影しましょう。
その際、晴天時の日中の自然光が入る場所で撮影すると一番見栄えが良くなると思います。

次に、メニュー表を作ります。

販売ラインナップ、販売単価等を決め、デザインしていきます。

メニュー表は、営業するにつれてラインナップが変わったり、価格変動した際等に、
何回も作り直すことになります。

メニュー表に限らず、お店全体にも言えることですが、
1つ大事なことは、「お客様の声を聞き逃さないこと」があります。

これは、営業を開始すると、訪問されるお客様が何気ない一言を発する時があります。

「こんな味があったらいいのに」
「メニューの〜がわかりずらい」
「〜をトッピングできますか?」

など様々なお客様の声を聞くことがあると思います。
そのお客様の声を聞き逃さないでください。
そのお客様の一言があなたのお店にとって最大のヒントになります
1人のお客様の声は多数のお客様の声と認識しましょう。

そのお客様の声をヒントに日々お店の改善を試みてください。
現状維持ではなくて、試行錯誤・日々改善の気持ちが大切です。

各備品、販促グッズ、POP等を準備しよう。

キッチンカーが納車されたら、次は開店に向けたお店作りに取り掛かっていきます。

外観のイメージが決まっているのならば、各備品、販促グッズ、POP等を準備していきます。
外観は統一感がある方が世界観が強まり、お客様の印象に残りやすいと思います。

タペストリー、メニューボード、ショップカード、飾り付け備品
帽子、エプロン、Tシャツ、名刺
ロゴシール、調理備品、包装紙、包装カップ等など

特にタペストリーは、お客様にあなたのお店が何屋さんなのかを知らせる重要な役割があります。
特に印象に残るようなデザインにしましょう。

また、服装は私的にはお店専用のものを身につけた方が良いと思います。
ロゴの入ったTシャツ、帽子、エプロン等です。
特に複数人で作業する場合は、統一感が出てお店の見栄えも良くなると思います。

自分のイメージに沿ってお店を作り上げる工程なので楽しいと思います。
色々なお店を巡って自分の理想のお店を作り上げていきましょう。

内装・外装を仕上げよう。

キッチンカーが納車されたならば、内装・外装の最終的な仕上げに取り掛かります。

図面に沿って各機材の設置、必要によっては棚、電源レール、カーテンレール、網戸、断熱材等の設置になります。

壁にカッティングシート等を貼って見栄えを良くしているキッチンカーも多く見かけます。
私の場合は、天井・壁に板材を貼り付けました。
見栄え、調湿を考慮した結果ですが、自分ですることによって愛着も湧くと思います。

外装に関しても、カッティングシート、カウンターがなければカウンターの設置等があります。

これから長く相棒となるキッチンカーなので細部にまでこだわって仕上げていきましょう。

キッチンカーにキャッシュレス決済は必要か?

結論から言うと、
キッチンカーにおいて、キャッシュレス決済は導入した方が良いです。

当店では現在、
PAYPAY、楽天PAY、メルPAY、LINEPAY、D払い、アインPAY(東村山市限定)
を導入しています。

お客様の利用率としては、年々上がっており、
今では、お客様の半数弱が利用されています。

当店は特に公園出店が多いため、更に利用率が上がっているのもあります。
公園で遊ぶ際に、財布を持ってきていなくても携帯があれば決済ができるので利用する側も便利です。

また、各決済会社において定期的にキャンペーンを実施しており
○○%還元やポイントが貯まる等キャンペーンがあり、お得感があるのも利用率が上がる要因として挙げられます。

その分逆に現金のみの扱いの店舗においては、知らずのうちにお客様を逃している可能性もあります。

他メリットとしては、現金のやりとりが無い為、作業効率のUPがあります。
お客様がキャッシュレスの支払い手続きをしている間に作業準備をすることが可能です。
更に、金銭の受け渡しがない為、
結果的に提供スピードのUPが図られます。

各決済会社に手数料を取られることを嫌がる事業者さんがいるかも知れませんが、
知らずのうちにお客様を逃している可能性や作業効率化と手数料を取られることを天秤にかけた場合、
どちらが良いのか選択してみてください。

また、キャッシュレス決済導入は全てWEB上で完結し難しい手続きも無いので、それほど手間もかからず導入できます。

pasmo、Suica等の電子マネーは学生さんが利用している割合が高いので、
学生さん向けに販売する機会があるキッチンカーは導入を検討しても良いでしょう。

個人的には、クレジットカード決済は専用の端末が必要になったり、決済に多少時間がかかるイメージがあるので、
当店は見送っております。
お客様の利用率もそれほど多くない印象です。

以上の理由から、キャッシュレス決済は導入することをお勧めします。

営業許可を取得しよう。

〜続きは後日掲載予定です。〜


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