私が、「わたあめ屋さんのキッチンカー」を開業して、約4年になります。
廃業率が高いと言われる、この業界で今でも生き残れています。
有難いことに、むしろ縁が広がり、出店規模が拡大しております。
また、「キッチンカー場所作りプロジェクト」として、
キッチンカーの活躍できる場所を拡大させ、
更に自らもキッチンカーマルシェを開催しております。
そして、2024年に「行政書士」としても開業し、
キッチンカーをこれから開業される方などの相談も承っています。
そんな現役のキッチンカー、イベント主催者及び行政書士である店主が開業までのステップを完全解説します。
ここに書いてあることを一から実践すれば、キッチンカーでの起業・開業まで辿り着けるでしょう。
また、キッチンカーにとって一番頭を悩ます、開業後の出店場所の確保方法も書いてます。
自ら体験した経験と培った知識が基になっていますので、
よりリアルな情報を詳細にお伝えできると思います。
これからキッチンカー開業を目指している方々の参考になれば幸いです。
それではいきましょう。
目次
- 1 STEP1:なぜキッチンカーをやりたいのか、今一度考えてみる。
- 2 STEP2:販売する商材を決める。
- 3 STEP3:徹底的にリサーチする。
- 4 STEP4:開業資金を試算する。
- 5 STEP5:創業融資制度を利用する。
- 6 STEP6:キッチンカー制作・販売会社を訪問し見積もりを取ろう。
- 7 STEP7:キッチンカー制作・販売会社が8ナンバーに対応しているか確認しよう。
- 8 キッチンカーの契約・仕様決定。
- 9 お店の屋号・ロゴを決める。
- 10 お店のホームページの制作、各SNSを始めよう。
- 11 食品衛生責任者の資格を取得する。
- 12 商品試作からメニューを立案していこう。
- 13 いよいよキッチンカー納車。その当日にしておいた方が良いこととは?
- 14 商品の写真撮り、メニュー表の作成。
- 15 機材、各備品、販促グッズ、POP等を準備しよう。
- 16 内装・外装を仕上げよう。
- 17 POSレジを導入しよう。
- 18 キッチンカーにキャッシュレス決済は必要か?
- 19 キッチンカーの営業許可を取得しよう。
- 20 PL保険(生産物賠償責任保険)と施設賠償責任保険に加入しよう。
- 21 HACCP(ハサップ)の義務化に伴う、対応・導入方法。
- 22 キッチンカー事業者は適格請求書発行事業者登録(インボイス)対応は必要か。
- 23 キッチンカーの出店場所を探そう。
- 24 キッチンカーにマーケティングは必要か?
- 25 初出店の日にしてほしいこと。
- 26 最後に。
STEP1:なぜキッチンカーをやりたいのか、今一度考えてみる。
「あなたは、どうしてキッチンカーをやりたいと思ったのですか?」
「あなたが販売したい商材は何ですか?」
「どうしてその商材を販売したいのですか?」
「そもそもなぜ、独立して起業・開業したいのですか?」
そのようなあなたの「想い」を今一度確認してみてください。
最初に言っておきますが、
キッチンカー業界は決して甘い業界ではありません。
むしろ厳しい業界です。
よくあるキッチンカー開業セミナーでは、
キッチンカー業界の良いところしか言いません。
目的は、あなたのキッチンカー開業を応援する為ではなくて、
あなたにキッチンカーを販売することが目的です。
だから、キッチンカーをあなたに販売したら目的達成で、
その後の支援は一切ありません。
それに、キッチンカー業での売上平均は数ある業界の中でも決して高くありません。
よくネットやSNSで「イベントで1日で何十万稼いだ」等を目にしたことがあるかもしれませんが、
そのようなイベントは滅多にありません。
また、そこから出店料、仕入れ代、スタッフ費用、移動・燃料費等の経費を差し引いて
どれだけ手元に残るかも計算に入れなければいけません。
また、雨の日は売上が激減します。
そのことは事業計画を立てる際に、念頭に入ってますか?
また、キッチンカー業は肉体労働です。
現場への移動、開店準備、営業、閉店準備、後片付け、仕込み、買い出し等、
体力を使う仕事ばかりです。
毎回20kg以上はある発電機を車体から上げ下ろしできますか?
夏は車内温度50℃近い中での販売になります。
汗だくになり、常に熱中症への不安と隣り合わせです。
冬はその逆に寒い中、外での作業です。
冬の雨の中、ずぶ濡れになりながら後片付けをすることも多々あります。
更に、ここ数年でコロナ時期のキッチンカーブームもあって、キッチンカーが激増しています。
どの出店場所もキッチンカーで溢れかえっているレッドオーシャンです。
その中で生き残れる自信はありますか?
「夏はとりあえず、かき氷を販売しておけばいい」
みたいな安易な考え方のキッチンカーはその内、淘汰されるでしょう。
「あなたのお店でなければいけない理由は何ですか?」
お客様があなたのお店から購入したいと思えるものを確立することが大切です。
色々、厳しいことを書かさせて頂きましたが、
先ず最初にこのキッチンカー業の仕事のことを知ってもらいたかったからです。
それでもなお、「あなたがキッチンカーをやりたい」
と思ったのなら、この先の記事へ進んで下さい。
STEP2:販売する商材を決める。
キッチンカーを始めるにあたって、先ずは販売する商材を決めます。
マーケティング的にどの商材が良いなどはあるかも知れませんが、
販売商材については、自分のやりたい商材にした方が良いです。
そうでないと長続きしません。
お店などで調理経験があれば、自分の得意な料理でも良いと思います。
その商材に対する強い思いがあると、色々試行錯誤・創意工夫しながら
商材もブラッシュアップしていくと思います。
いかに情熱を持って取り組めるかが大事です。
また、季節によって販売する商材を増やすのはありだと思いますが、
メイン商材をコロコロ変えるのはお勧めしません。
例えば、焼きそば売って、たこ焼き売って、ドリンクも売って、ポテト、かき氷も売ってなど
イベント等で人気商材をなんでも扱っているキッチンカーをよく見かけます。
その場では、売れるかも知れませんが、客観的にみるとそのキッチンカーが何屋さんだかわかりません。
つまるところ、「あなたのお店でなければいけない理由は何ですか?」
に応えられないのです。
これは、イベント等を主催する側からの視点でみると、
「あなたのお店でなくても別にいい」になります。
つまりは、イベント主催者、出店場所を提供する側からの「お声がけは少ない」ということになります。
そうなるといつまで経っても、
キッチンカーの出店場所仲介業者に依存する形や
絶えずキッチンカーの出店場所を探し続ける日々が続きます。
つまりは「出店料を搾取され続ける側になる」ということです。
それが嫌ならば、
軸になる商材を決めて、その商材を徹底的にブラッシュアップさせた方が良いです。
そうすることで、
お客様もあなたのお店のあの商材を食べたいからとリピートしてくれることになります。
そうしてファンになって頂けると毎週のようにご来店頂いたり、遠方であっても来店して頂けたりします。
また、主催者・提供者側からも「ぜひあなたのお店に出店してほしい」と
出店のお誘いを頂けることにもなります。
そうなると、高額な出店料を払うこともなくなり(寧ろ逆に出店料を頂くケースもあります)
出店場所探しに日々あくせくすることもなくなります。
STEP3:徹底的にリサーチする。
WEB上から情報を集めよう。
キッチンカーを始めることを決意し、商材も決まったのならば、
次は徹底的にキッチンカー業界のこと、商材のことを調べます。
私がキッチンカーでの開業を決意したのは4年前になりますが、
当時ではそれほどまだWEB上に情報はありませんでした。
今は、各ホームページ・SNS(Youtube、Instagram、X等)に様々な情報が載っていますので、
それらを利用して徹底的に調べます。
・キッチンカーを注文するのはどの業者がいいのか。
・出店場所はどのような場所があるのか。
・営業許可、必要な資格は何があるのか。
などは、WEB上から調べることができます。
実際にキッチンカーを訪問してみよう。
次は、実際に営業しているキッチンカーを訪問してみることはお勧めします。
人気があるキッチンカー、自分が気になるキッチンカーの実際の営業しているところを
見ると色々な気付きがあると思います。
あと、迷惑にならない範囲で実際にお店の人の話を聞いてみることも良いでしょう。
当時の私も、事前にアポイントを取り、店主のお話を伺ったりしました。
また、たまにアルバイトスタッフを募集しているキッチンカーもありますので、
思い切って応募し働いてみるのも良いと思います。
リアルな現場を体験することで、理想と現実の擦り合わせが出来ると思います。
商材についてリサーチしよう。
次に、自分が扱う商材についても徹底的にリサーチする必要があります。
気になるお店には実際に訪問して、「味・雰囲気・価格・サービス」等を
チェックします。
私もわたあめ屋さん巡りで原宿のお店に行ったり、催事店を訪問しました。
自分のお店作りのイメージを膨らませたり、参考になると思います。
キッチンカー開業セミナーでの注意点。
また、キッチンカー開業セミナーに参加するというのもありますが、
こちらには危険性もあるので注意しましょう。
基本的な業界概要を知るには良いと思いますが、のめり込むことは危険です。
あくまで俯瞰的な視点で情報の一部を知るために参加するという気持ちが大事です。
なぜなら、上記にも述べましたが、
これらの業者の最終的な目的は、「キッチンカーの販売」にあるからです。
セミナーを受けた後に、更に希望者には、個別相談等があり、
それに申し込むとキッチンカー販売の流れになっていきます。
セミナー主催者側はもちろん自社のキッチンカーを販売したいので、
あれこれ利点をアピールしてきます。
それらを鵜呑みにしてその場の勢いでキッチンカーの注文をすることだけはやめておきましょう。
後述しますが、今キッチンカー販売会社は多々あります。
1社だけでなく、数社は実際に訪問し、見積もり等を取ってから決断することを強くお勧めします。
キッチンカーの購入は開業するにあたって一番高額な買い物になりますので、
後で後悔しないよう、ここは慎重な判断でいきましょう。
STEP4:開業資金を試算する。
キッチンカーの車体費用。
キッチンカーでの開業には当然お金が必要になってきます。
そこで、キッチンカーで開業しようとする場合の資金がいくら必要なのかを試算します。
一番大きな出費は「キッチンカーの車体購入」になります。
新車で買うか、中古で買うか。
軽バンサイズ、軽トラックタイプ、1t、1.5tトラッククラス等の車体によっても費用は変わってきます。
あとどこの販売会社から購入するかでも変わってきます。
下記は一般的な相場及びメリット・デメリットになります。
車体タイプ(新車) | 平均価格相場 | メリット | デメリット |
軽バン | 100〜150万 | 車体価格が低い。 | 立ち作業ができない、狭い。 |
軽トラック | 250〜300万 | 最も一般的。小回りが効く。あらゆる現場に出店可能。 | 複数人での作業には狭い。運転席が狭い。 |
1tクラス | 300〜400万 | 運転も乗用車感覚、複数人作業も可能。資金的に可能なら選択肢としてあり。 | 軽トラックタイプよりは高い。 |
1.5tトラック | 400〜550万 | 大型イベントでも対応可能。複数人の作業・多品目販売でも余裕でこなせる。 | 出店場所によって車体の大きさにより出店できない場合あり。 故障した場合の修理代も高額になることが多い。 |
また、キッチンカーをリースするという選択肢もあります。
6ヶ月または12ヶ月での契約が一般的です。
手軽に始められるので、キッチンカーの経験をするという部分では良いと思います。
但し、購入するよりも割高になる、途中解約料が高い、物損等により修理費用は自分持ち等の
デメリットがありますので、よく検討しましょう。
その他 費用。
車体費用の他に、
調理機材、発電機、ガスボンベ、冷蔵庫、冷凍庫、梱包資材一式、販促代、営業許可取得費・食品衛生資格取得費用、各種保険代等が掛かってきます。
もちろん個々で変わってきますが、大体50万くらいの試算になります。
こうしてみると、一番安く抑えて約150万、高額の場合で約650万くらいかかると試算できます。
自分のやりたい商材に合うタイプを自己資金を加味しながら選択していく必要があります。
また開業してから数ヶ月分は生活できる運転資金も準備しておいた方が無難です。
最初の数ヶ月は出店先探しにあたり、すぐに売上に結びつかないからです。
出店先を探す場合、主催者、提供者側から営業許可証を求められる場合が多く、
営業許可証は車体が出来てからの取得になり、
必然的に車体が出来てから、2〜3ヶ月後に初出店となるケースが大半になります。
STEP5:創業融資制度を利用する。
融資の必要性・どれを利用する?
「手元に自己資金がそれほど無い、でもキッチンカーで開業したい」
という場合は、融資を検討することになります。
「自己資金が貯まるまでは、開業するべきではない」
という考えもありますが、私は、融資には賛成派です。
私も、開業前に自己資金がそれ程なく、融資を利用した身です。
結果、融資を利用して良かったと思っています。
開業資金を貯めるまで、何年かかりますか?
その間に状況や気持ちが変わるかも知れません。
結局は何も動かず現状維持のままっていうパターンは多いです。
よく言われますが、「現状維持は退化」です。
現状維持を打破したい為に、独立開業を試みるのでは無いのですか?
また、融資は、開業時が一番借りやすいです。
「創業融資制度」が日本政策金融公庫に設置してあり、こちらを私も利用しました。
詳細がこちらの記事にまとめてありますので、良かったら読んでみてください。
「経営者」という視点でみても、融資を利用することは、決して悪いことではありません。
企業が銀行等から融資を受けている割合は80%以上です。
企業としては、借りられるうちは借りて、自己資金を確保しておいた方が安全だからです。
融資は資金調達の手段です。
新しい事業をつくり、そのための投資を行い、新たな収益でさらに企業を成長させていくサイクルをつくるために、
借入は有効な手段になりますし、成長を促進する源泉ともいえます。
無借金にこだわることは、そのサイクルを作り難くする要因になると認識するべきです。
事業計画書を作成しよう。
融資を受けるにあたっては、事業計画書の作成は必須項目になります。
また、融資を受ける受けないに関わらず、
これからキッチンカー開業を志すのであれば、事業計画書は作成したほうが良いです。
計画がなければ目標も設定できないと思います。
・キッチンカーを開業することへの動機
・開業資金の試算
・売上見込み
(平日と土日祝日は分ける・雨の日は出店できないことも見込む)
・仕入れ(経費)見込み
・経常利益見込み
・一年後(軌道に乗った後)の見込み
これらのことは、最低限計画書に落とし込みしておきましょう。
また、経営にあたってPDCAサイクルを回すことを意識することは大事です。
PLAN(計画)→DO(行動、営業)→CHECK(振り返り)→ ACTION(改善)
最初に計画ありきです。
そこから行動し、振り返り、改善する。
その繰り返しになります。
STEP6:キッチンカー制作・販売会社を訪問し見積もりを取ろう。
自己資金も準備出来たら、いよいよキッチンカー契約へと動き出します。
キッチンカータイプも決まりましたでしょうか?
決まったのならば、
現在、キッチンカー制作・販売会社は数多くありますので、
数社は実際に訪問して、見積もりを取りましょう。
このキッチンカーの見積書は、融資を受ける際にも必要な書類になります。
くどいようですが、セミナーを受けてその場の勢いで、
その会社のキッチンカーを契約することだけは辞めてください。
実際にそのような方を沢山みてきて、仕様に合わない高額なキッチンカーを契約し、
その後苦労されているのを沢山みているからです。
キッチンカー制作会社によって、得意なスタイル・販売形態があるので、
その辺りも確認しましょう。
オーダーメイド仕様にできるのか、パック売りのみなのか。
跳ね上げ扉か、オーニングタイプか。
など色々な仕様があります。
どのような仕様にしたいかは、販売する商材に合わせてや、
実際にキッチンカーを下見するなどして具体的なイメージを立てておきましょう。
また、そのキッチンカー制作会社の販売実績もしっかり確認しましょう。
・法的な営業許可取得に対応しているか?
・ボックスの作りはしっかりしているか?
・8ナンバーに対応可能か?
ひどいところは、納車後すぐに雨漏りや扉の開閉に異様な力がいる等の問題が発生するケースもあります。
安かろう悪かろうでは目も当てられません。
このあたりはその販売会社をWEB上や各SNS等で検索してみると、
過去にその販売会社で購入された方の口コミや記事を確認することができると思います。
アフターフォローがしっかりしているかどうかも大事な要素です。
・キッチンカーの車検に対応してくれているか。
・事故や故障時に対応してくれるか。
・車両保険の取り扱いはあるか。
この3点は最低限確認しておきましょう。
キッチンカーの車検対応してくれるディーラーは少ないし、
キッチンカーは何かとトラブルが多いです。
高さ制限を忘れてぶつけたり、跳ね上げ扉が開いてぶつけたり等々。
いざという時に、対応してくれる販売会社や保険会社、担当者がいると心強いです。
STEP7:キッチンカー制作・販売会社が8ナンバーに対応しているか確認しよう。
こちらも大事な要素になりますが、キッチンカー制作・販売会社が「8ナンバー」仕様に対応しているかどうかが重要です。
私が今まで数多くのキッチンカーを見てきた中での所感ですが、
現状、軽トラックタイプで8ナンバーにしているキッチンカーは約6割位だと思います。
逆に4割は、4ナンバー(黄色のナンバー)ということになります。
私の結論から申しますと、
キッチンカーを購入する際には、必ず「8ナンバー」にしましょう。
では、なぜ8ナンバー仕様にした方が良いのか説明していきます。
そもそも8ナンバーとは。
車は普段私たちが利用する普通車や軽自動車だけでなくパトカー・救急車・レッカー車など数多くの種類があり、これらの車は役割ごとに分類されています。
そのなかで、どの車が8ナンバーに当たるのか、またどのような意味があるのか確認していきましょう。
一言で言うと、8名ナンバーは「特殊用途自動車」に該当します。
警察車両や給水車、消防車など一定の条件下において使用されたり、特殊な用途に使われる設備・装置などを備えていたりする車です。
その中でも更に下記4つの定義に分類されます。
- 緊急自動車:パトカー、消防署など緊急時に特別な措置が取られる車
- 法令で定められた特定事業に使用する車:給水車、霊柩車、教習車など法令上特別な認可が得られているもの
- 運搬・医療介護など上記以外の特殊作業に係るもの:寝台自動車、リフト車など特定の作業目的のある車
- その他の使用目的のもの:キッチンカー・キャンピングカー、宣伝カーなど
キッチンカーも8ナンバー仕様に登録することができることになります。
なぜキッチンカーは8ナンバーにした方が良いのか。
重要なこととして、軽トラックのキッチンカーは「4ナンバー」か「8ナンバー」によって、
「そのままで車検に通るかどうか」が異なります。
基本的に4ナンバーのキッチンカーはそのままでは車検に通りません。
4ナンバーの場合、小型貨物自動車(軽自動車)としての登録になるので「高さ2mまで」という法的制限があるからです。
(軽トラックタイプのキッチンカーはボックス部分を含め高さ2m50cm程になります)
ではなぜ、4ナンバーのキッチンカーが存在するのか?
通常であれば4ナンバーで車検を通す場合、
「車検前にボックス部分を外す対応しているから」ということになります。
通常、軽トラックのキッチンカーは簡単に外れないようにボックス部分がボトル等でがっちり固定されています。
重量も相当なものです。
それをいちいち車検の度に取り外しすることは相当な手間がかかります。
これからの作業を毎年の車検(4ナンバーは毎年)時に本当にしているのでしょうか?
ちなみに、ボックスを外さないで車検に通しいる場合、
ボックス部分を「荷台」(荷物)という体にしている可能性があります。
但し、「荷台」という定義には、「工具を使わずに取り外しができるかどうか」という条件があります。
なので、キッチンカーのボックス部分は通常は荷台としては認められないのですが、
現状はそれで通しいるようです。
厳密にいうと、この行為は、道路交通法違反に該当します。
だから、かなりグレーな部分となっています。
仮に、道路を走っている時に、警察に取り締られても、法的には違法なので従うしかありません。
また車検の更新頻度も、
4ナンバー:1年毎
8ナンバー:2年毎
という違いがあります。
自動車税、重量税等は8ナンバーに比べ安価ではあるものの、
毎年の車検料や荷台の脱着料を加味すると割高になるでしょう。
更には、保険会社としても、上記の理由から4ナンバーでは
いざという時、保険がおりない可能性があります。
そのような理由から、キッチンカーは8ナンバー登録にした方が無難です。
また、途中から4ナンバーから8ナンバーに変更するのは、
かなりの手間(書類等)と費用がかかりますので、
最初から8ナンバー登録にしておいた方が良いです。
キッチンカーの契約・仕様決定。
どのキッチンカー制作販売会社にお願いするかを決めたのならば、
いよいよキッチンカーの契約となります。
中古車や既に完成車の場合は、即入車という流れになりますが、
新たに制作する場合、仕様を決めていくことになります。
主には外観・内装に関わる部分になります。
ここまで調べた知識、実際に見て回ったキッチンカーの情報等から、
自分の理想のキッチンカーを仕上げていくことになるので、
今までで一番楽しい時からもしれません。
また、キッチンカーを契約してから、実際に納入されるまで、
販売会社にもよりますが、セミオーダーの場合、
2〜3ヶ月くらいかかることを想定しておきましょう。
但し、その間にしなければいけないことは結構ありますので、
意外に早くすぎる感覚になると思います。
外観について。
配色・フロント部分の変更、窓の仕様、屋根(オーニング)の仕様、
フロント・エアロ仕様等々になります。
これらは予算の兼ね合いもみながら、自分の好みで良いと思います。
個人的には、多少予算が掛かっても、
お洒落、かわいい等のコンセプトにはこだわった方が良いと思います。
なぜなら、そのようにキッチンカーの外観に個性、世界観があった方が、
出店のお声がけを頂ける可能性が高いからです。
また、外装でお店の名前やロゴ等をキッチンカーに装飾しているのを見かけますが、
こちらも自分の好みで良いと思います。
普段の走行中に宣伝になる等のメリットはあるかもしれません。
1つ注意点としては、
後で取り外しできるようにしておいた方が無難ということです。
塗装ではなくて、ラッピングやカッティングシートにした方が良いでしょう。
後で、何かしらの理由でキッチンカーを売却しなければいけなくなった際に、
やはり店名やロゴが入っていると査定にマイナスになるからです。
あと、細かい部分ですが、タペストリー、のぼり等の設置方法を決めた方が良いです。
制作の段階で、それらの設置金具部品を取り付けてもらうと後付けするより楽になります。
内装について。
あなたのお店がどの商材を扱うかによって変わってきますが、
水道、シンクタンクの位置、機材置き場、冷蔵・冷凍庫、作業場所、収納場所、棚、電気系統、コンセントの位置
等を決めていくことになります。
各機材の寸法を測り、それらをどのように配置するかを決めることになります。
その際、作業台・棚等の高さも気を付けましょう。
機材を設置した際の高さを測り、作業台の高さも可能であれば自分に合った高さでの調整をします。
また、営業許可取得の際に、車内図面も提出しなければなりませんので、必要な作業になります
特に、販売動線、オペレーションの流れを想定して動きやすい配置にすることが求められます。
あと断熱材の有無も確認しましょう。
キッチンカーの夏場の暑さ対策、冬の寒さ対策は必須です。
個人的には、スペースと予算に余裕があるなら、「エアコン」もほしいところです。
近年の夏の暑さは本当に死活問題なので、検討の余地はあると思います。
あと大事なこととして、
キッチンカーの営業許可取得の要件を満たしていることです。
後述しますが、
都道府県、各保健所によっても取得要件が違っていたりするので、
事前に所轄の保健所に営業許可要件を確認しておきましょう。
お店の屋号・ロゴを決める。
キッチンカーを発注してから完成・納車するまである程度の期間(2〜3ヶ月)がありますが、
それまでにやることが結構ありますので、それらを順に説明していきたいと思います。
先ずは、お店の屋号・ロゴデザインを決定しなければいけません。
これらはそのお店をやっていく限りずっとそのお店の顔になり、名前になるので重要視しましょう。
キッチンカーの屋号。
「覚えやすいのが良い」「長い店名は避けた方が良い」等ありますが、
あまり気にせず、自分の気に入った名前にした方が愛着も湧くし良いと思います。
あと気をつけたいのが、
既存のお店で名前が被っていないかは確認しましょう。
商標登録されている商品名とは違い、屋号は被っていても違法にはなりませんが、
どうせなら独自の名前が良いですよね。
私の場合は、お店の名前を決めたらその名前をgoogle等で検索し、
同じ名前が出てこないかをチェックしました。
また念の為、その名前が商標登録されていないかも確認した方が無難です。
商標登録の有無を調べるサイトがありますので、それらを利用しましょう。
商品名等を付ける際も商標登録の有無は気を付けましょう。
キッチンカーのロゴ。
キッチンカーを営業するにあたって「ロゴ」は合った方が良いです。
ロゴも名前と同様にそのお店の顔になるからです。
中には、ロゴがないキッチンカーもいますが、
ホームページや各SNS及びキャップ・Tシャツ等のグッズにはロゴは必須だと思います。
効果としては、視認性が上がり、覚えてもらえやすくなります。
ロゴ作成には、ある程度デザイン性が必要になってきますが、
私は残念ながらデザイン性が皆無だったのでロゴの作成はアウトソーシングしました。
アウトソーシングを活用する手段として、クラウドワークスを利用しました。
その時の記事がこちらです。
結果的には、1つのロゴを選ぶのにとても悩む程、多くのデザイナーさんからデザイン提案があり、
とても有意義な活用になりました。
ちなみに、行政書士の事務所を開業する時も、ロゴ作成は、クラウドソーシングを利用しました。
ロゴが決まったら、名刺(ショップカード)も作ってしまいましょう。
出店先探しの際に必要になりますし、場所提供者の方や同業の方達にも配る機会がありますので、
名刺(ショップカード)も合った方が良いアイテムになります。
お店のホームページの制作、各SNSを始めよう。
キッチンカーを契約してから、実際に納車されるまでセミオーダーの場合、
およそ2〜3ヶ月くらいかかりますので、
その間にホームページの制作、各SNSの運用を始めておきましょう。
どうしてホームページを作った方が良いのか。
先ずは、ホームページですが、
私的には、お店のホームページを持つことは必須だと思います。
実際に当店のホームページを見て頂き、イベント等への出店依頼を頂けたのは数多くあります。
また、ホームページを見て知って頂き、来店して頂けるお客様もいると思います。
キッチンカーは固定店舗ではないので、ホームページに
毎月の出店予定を載せることで、いつどこで出店するのかもご確認頂けます。
あと個人的には、
日々の出店した際のブログを綴ることで、
自分がしてきたこと、感じたことの軌跡を残せることに意義を感じます。
今までこの当店のホームページでも数々の軌跡を記事にしてきました。
この記事に共感してくださった方からの感想や実際に遠方からわざわざ会いに訪問して頂いたことも多々あり、
とても励みになっています。
ホームページとSNSとの違いは、過去の記事も見てもらいやすいという特徴があると思います。
インスタグラムやXは発信直後は見てもらいやすいですが、
過去の発信まで遡って見てもらえることは少ないです。
その点、ホームページは自分で閉鎖しない限り、半永久的にWEB上に残り、
また過去の記事も見てもらえやすいです。
今は、どの企業、お店もホームページは作成している時代ですが、
キッチンカー業界においては、いまだにホームページをしっかり作って運用しているキッチンカー事業者が少ない特徴があります。
ですので、ホームページをしっかり作るだけで他キッチンカーと差別化ができます。
当店のホームページは「わたあめ キッチンカー」等でgoogle検索して頂けるとわかりますが、
数ある仲介業者やキッチンカー制作販売会社のホームページを差し押さえて
ずっと検索トップに表示されています。
それだけ見てもらえる回数が増えるということに繋がります。
逆にインスタ・X等のSNSを運用しているキッチンカー事業者は大半なので、
そこで差別化を図っていくのはなかなか難しいと思います。
ホームページの作り方。
では、どうやってホームページを作っていくのか?
今は簡単に作れるホームページ作成支援のツールは沢山あります。
代表的なのは「ペライチ」「jimdo」「Wix」「アメブロ」等になります。
しかし、折角作るのであれば、「wordpress」で作るべきです。
理由としては、
- 圧倒的にできることが多い。
- 一度作成したホームページ、記事は半永久的にWEB上に残る。
- 検索上位に表示されやすい。
等があります。
費用的には、運用であれば月2,000円弱で維持できます。
wordpressで作成するにあたりテーマを選択するのですが、
そのテーマは数多くあります。
自分の作りたいホームページのイメージに近いテーマを選択しましょう。
無料のテーマもありますが、できることに制限があったりするので、
有料でも自分に合ったもの選択していきましょう。
あと、ホームページ制作会社に作ってもらうという手段がありますが、
その分費用も上積みになるので、金銭的に余裕があるのならば検討してみても良いでしょう。
但し、費用が高い悪い割には、効果が今ひとつみたいな悪評も多いのでどの制作会社に依頼するかは注意が必要です。
私は、ホームページ制作に関しては全くの素人でしたが、
一からコツコツ作成して、ここまで出来ました。
私が最初ホームページを作った目的が、
「自分のしてきた軌跡を残す」の意味合いが大きかったので、
ある意味好きなように自由に作ってきました。
だから、あまりSEO(検索上位にのせる為のテクニック的なもの)等も意識せずに作ってきました。
それでも、一定数は見られるホームページにはなっているので、
先ずはやってみることが大切だと思います。
キッチンカーにとって各SNSを始めることは必須です。
今は誰でも自分のアカウントは持っていることと思います。
それだけ、人々に深く浸透しているので、お店アカウントでのSNS運用は必須項目になります。
ホームページと違い、キッチンカー事業者の大半が何かしらのSNSを運用しています。
特にキッチンカーは、店舗と違い日によって出店場所が変わるので、
出店場所をお客様にお知らせするのに、SNS活用が必須になります。
雨天などによる急なお休み、時間変更等の連絡もSNSで行います。
また他の活用方法として、
他キッチンカーがどのような出店場所・イベント等にも出店しているのか調べることができます。
イベント主催者側・場所提供者側が、イベント出店募集等をSNS経由で募集しているのも多いですし、
直接出店依頼がDMでくることもあります。
また、キッチンカー事業者同士の横の繋がりとして連絡を取り合うのにも利用されます。
このように様々な活用方法があり、しかも無料で始められるということもあり、
メリットが多大なので、やらない手はないです。
SNS。では何から始めたら良いのか?
代表的なのは、「Instagram」「X」になります。
その他には、「Youtube」「Facebook」「Tik Tok」
少しマイナーなものとして、「note」「stand FM」「Threads」
等があります。
いきなり全部を始めるのは、大変なので自分に合った媒体から始めてみても良いでしょう。
例えばインスタグラムは写真中心、Xは文字中心など、
各SNSによって仕様、特徴・年齢層・影響力等に違いがあるので、その辺りは自分のお店に合ったものが良いと思います。
最初は人気のあるキッチンカーのSNSを参考にして発信してみても良いでしょう。
発信を続けることによって徐々にフォロワーも増えていきます。
発信方法も自ずと自分に合ったものになってくるでしょう。
あと幅広くSNSを運用することのメリットとして、
それだけ、google等の検索結果に載りやすいということがあります。
特に、「Instagram」「X」「Youtube」は検索上位に載りやすい印象があります。
食品衛生責任者の資格を取得する。
食品衛生責任者とは、食品衛生法に定められた規則に従って、
施設において衛生管理の中心の役割を担う、食品衛生責任者資格を持つ人のことを指します。
食品衛生法の改正によって、令和3年6月1日から、原則として許可や届出の対象となるすべての施設では食品衛生責任者の設置が義務となりました。
キッチンカーも対象となっており、キッチンカーで営業するにあたって、
食品衛生責任者を配置することは義務になります。
その為に、キッチンカー開業までに、この資格を取得しなければいけません。
食品衛生責任者の資格取得方法について。
資格要件としては、次のいずれかに該当する人と定められています。
- 1.食品衛生監視員または食品衛生管理者の資格要件を満たす人
- 2.調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士と畜場法に規定する衛生管理責任者または作業衛生責任者、食鳥検査法に規定する食鳥処理衛生管理者の資格を有する人
- 3.都道府県知事等が行うまたは適正と認める講習会を受講した人
1、2に該当する人はそのまま、食品衛生責任者になることができます。
それ以外の人は、
各都道県等が実施する食品衛生責任者の養成講習会を受けなければいけません。
例えば、東京都では一般社団法人東京都食品衛生協会が、
東京都知事の認定を受けて、養成講習会を実施しています。
会場集合型では一日の講習を受けることで資格が取得できます。
特に難しいことはありませんので、安心してください。
私が約4年前に受講した時はありませんでしたが、
今ではeラーニングコースがあり、オンラインで資格が取得できます。
参考ホームページはこちら。
https://www.toshoku.or.jp/training/seki-gaiyou.html
会場集合型で受講する場合、
結構満席になることがあるので、早めに予約することをお勧めします。
この資格は全国共通なので、県をまたいで取得しても問題ありません。
また、この資格には有効期限はありませんが、
食品衛生法で「食品等事業者は、自らの責任において、販売食品等の安全性を確保するための知識の習得等に努めなければならない」と定められており、
各自治体で「食品衛生責任者実務者講習会」という食品衛生責任者を対象とする講習会が実施されているので、
定期的に、受講することが推奨されております。
商品試作からメニューを立案していこう。
商品試作の際に気をつけること。
キッチンカーが納入されるまでに、
自分の販売したい商材の試作作りに挑戦していきましょう。
商品のクオリティを上げることももちろん大切ですが、
実際に作るのはキッチンカー内という限られた空間での作業になります。
その限られた空間で、どのような動線にするか、
オペレーションをいかに回すかを検討しなければいけません。
キッチンカーにとって、商品の提供スピードは大事な要素になってきますので、
いかに無駄な作業をなくし効率化していくかを検討しなければいけません。
これらは、実際に営業しながら日々改善の作業にもなりますが、
今のうちから検討しておいて損はないでしょう。
試作をしながら必要な機材・備品等も徐々に準備しておきましょう。
メニュー立案の際に気を付けること。
販売する商品が定まってきたら、メニュー構成も検討していきます。
先ずはあなたのお店で何をメインに販売していきたいのかを決めます。
そこから、味の種類、トッピング内容、提供方法等のバラエティを検討していきます。
最初から、バラエティに富んだメニュー展開が難しかったら、
徐々に増やしていくのでも良いでしょう。
そして、販売単価も検討していきます。
原材料費等から差し引いて利益をいくら確保したいかを計算して単価を算出する方法が一般的ですが、
最初はリサーチした同業界の販売単価を参考にしても良いでしょう。
販売単価は後からでも変更することは可能なので、最初はざっくりでも
個人的には良いと思っています。
但し、気をつける点としては、
安すぎる単価設定にはしない方が良いです。
単価が安ければお客様数は伸びるかもしれませんが、
その労働分の収益を確保しずらいからです。
よく「薄利多売」と言われますが、この働き方は体力・気力を奪われます。
それよりかは、いかに付加価値を高めるかを重視した方が良いです。
あなたのお店にしかない価値を提供できれば、
価格が多少高くでも、お客様は購入して頂けます。
いよいよキッチンカー納車。その当日にしておいた方が良いこととは?
ついにキッチンカー納車日が決まりましたでしょうか?
ここまで結構ソワソワした日が続き、長く感じたかもしれませんね。
待ちに待った納車日です。
その当日に是非やっておいてほしいことがあります。
それは、「その時の気持ちを何かしらの記録に残しておくことです。」
動画でもブログでも音声でも構いません。
これからキッチンカーを開業して、もちろん嬉しいことや楽しいことも沢山あるのですが、
つらくて大変なことも沢山あります。
挫けそうで苦しい時も何回も訪れます。
そんな時にこの時の「自分の想い」を思い出してください。
どうしてキッチンカーをやろうと思ったのか。
なぜこの商材を販売したいと思ったのか。
などそれぞれの熱い想いがあると思います。
それを思い出して再起する為に、「想いの記録を残すこと」が大事だと思っています。
この記録を残すことは、キッチンカー営業初日にもぜひやってほしいと思います。
あとはやはり車の運転に慣れることが必要になります。
軽トラックタイプのキッチンカーは特に車高が高いので注意してください。
乗用車気分で運転すると思いもよらないところでぶつけて泣くことになります。
そういう私も営業初日前に松屋のドライブスルーで屋根の存在に気が付かずボックス部分をぶつけて泣きました。
結構、施設の駐車場やドライブスルーなど高さ制限があるところは多いので、気を付けましょう。
商品の写真撮り、メニュー表の作成。
商品写真の撮り方。
試作を繰り返し、販売する商品の形が決まったら、商品の写真撮影をします。
この商品画像は、メニュー表やタペストリー等、色々な場面で使用するので
最高の写真を撮りたいところです。
その為には、プロのカメラマンにお願いする手段もありだと思います。
しかし、費用を抑えたいのなら自分で撮影しましょう。
その際、晴天時の日中の自然光が入る場所で撮影すると一番見栄えが良くなると思います。
また、タペストリー等の魅せ方については、
メインとなる商材の画像を大きく表示するのが良いと思います。
(商品が枠から見切れるくらいでも良いと思います)
お客様が遠くからでもぱっと見で、何屋さんかわかるようにした方がキャッチ効果があるでしょう。
メニュー表を作成する際のコツ。
次に、メニュー表を作ります。
販売ラインナップ、販売単価等を決め、デザインしていきます。
メニュー表は、営業するにつれてラインナップが変わったり、価格変動した際等に、
何回も作り直すことになります。
メニューの魅せ方についても色々な手法があります。
・そのお店のスペシャルな商品(高価格帯)を1つ選択肢に入れる。
・リーズナブルなものからスペシャルなものまで、お客様に選択できるような価格幅を持たせたメニュー展開。
・トッピングを充実させ客単価をUPさせる。
・セット販売(メイン商材とドリンク等)で割り得感を出す。
・種類を増やしすぎない。(ジャムの法則)
・メニュー表の一番上は一番売れてほしい商品を掲示する。
・単価を高い順から並べる。
・季節限定、期間限定の商品を展開する。
・定期的に新商品を展開する。
このあたりの手法を取り入れてメニューを作成していくのがコツになります。
メニュー表に限らず、お店全体にも言えることですが、
1つ大事なことは、
「お客様の声を聞き逃さないこと」があります。
これは、営業を開始すると、訪問されるお客様が何気ない一言を発する時があります。
「こんな味があったらいいのに」
「メニューの〜がわかりずらい」
「〜をトッピングできますか?」
など様々なお客様の声を聞くことがあると思います。
そのお客様の声を聞き逃さないでください。
そのお客様の一言があなたのお店にとって最大のヒントになります。
1人のお客様の声は多数のお客様の声と認識しましょう。
そのお客様の声をヒントに日々お店の改善を試みてください。
現状維持ではなくて、試行錯誤・日々改善の気持ちが大切です。
機材、各備品、販促グッズ、POP等を準備しよう。
キッチンカーが納車されたら、次は開店に向けたお店作りに取り掛かっていきます。
機材は、何の商材を扱うかによって変わってきますが、
共通する物の代表的なものとして、
冷蔵庫、冷凍庫、コールドテーブル、照明器具、発電機、ガスボンベ、消化器、等があります。
発電機の選び方
発電機に関しては、できるだけ容量が大きいものを推奨します。
理由としては、容量が小さい場合、出店中にガソリンの補充頻度が上がりその分手間になるからです。
特にワンオペのイベント出店の際は、ガソリン補充のタイミングが難しくなります。
また、携行缶についても同様に容量が大きいのが良いでしょう。
ガソリンスタンドに行く手間も馬鹿にできません。
またブランドも信頼のできるところを選んだ方が良いでしょう。
出店場所は電源が借りられない場所が多いので、発電機は使用頻度が高いです。
日々のメンテナンスも怠らないようにしましょう。
出店当日に、故障していて発電機が動かないとなると泣く羽目になります。
最近は、発電機の代わりにポータブル電源を使用するキッチンカーも増えてきました。
容量も増え長時間稼働も可能になり、実用性が上がってきたことがあります。
最大のメリットとしては、音が皆無なので、発電機の音が気になる住宅街等での出店場所では重宝されます。
しかし、まだまだ高価な為、予算と相談して決めましょう。
また、携行缶・消火器も合わせて用意しましょう。
携行缶へのガソリン補充を自分で行うことは、法律で禁止されている為、
必ず、ガソリンスタンドのスタッフに依頼する必要があります。
消化器は、有効期限がありますので、注意しましょう。
イベント等では、消防士の方々のチェックが入る場合があります。
ガスを扱う際の注意点
キッチンカー内で加熱調理を行う調理機器には、プロパンガスを利用するものが多くあります。
プロパンガスを利用するには、ガスの販売事業者と契約を行い、充填できる先を確保する必要があります。
このガス販売事業者を探すのに苦労したという事例が結構多くありますので、
早めに見つけておくと良いでしょう。
外観を決めていく。
外観のイメージが決まっているのならば、各備品、販促グッズ、POP等を準備していきます。
外観は統一感がある方が世界観が強まり、お客様の印象に残りやすいでしょう。
タペストリー、メニューボード、飾り付け備品
帽子、エプロン、Tシャツ、名刺(ショップカード)
調理備品、ロゴシール、包装紙、包装カップ等など
特にタペストリーは、お客様にあなたのお店が何屋さんなのかを知らせる重要な役割があります。
特にぱっと見で何屋かわかり、尚且つ印象に残るようなデザインにしましょう。
また、服装はお店専用のものを身につけた方が良いでしょう。
ロゴの入ったTシャツ、帽子、エプロン等です。
特に複数人で作業する場合は、統一感が出てお店の見栄え、印象も良くなります。
自分のイメージに沿ってお店を作り上げる工程なので楽しいと思います。
色々なお店を巡ってイメージを膨らませ、
自分の理想のお店を作り上げていきましょう。
内装・外装を仕上げよう。
キッチンカーが納車されたならば、内装・外装の最終的な仕上げに取り掛かります。
図面に沿って各機材の設置、必要によっては棚、電源レール、カーテンレール、網戸、断熱材等の設置になります。
壁にカッティングシート等を貼って見栄えを良くしているキッチンカーも多く見かけます。
私の場合は、天井・壁に板材を貼り付けました。
見栄え、調湿を考慮した結果ですが、自分ですることによって愛着も湧くと思います。
外装に関しても、カッティングシート、カウンターがなければカウンターの設置等があります。
これから長く相棒となるキッチンカーなので細部にまでこだわって仕上げていきましょう。
POSレジを導入しよう。
キッチンカーにおいてPOSレジは必須だと思います。
メリットとしては、
①タブレットがあれば、導入可能なのでスペースを取りません。
②売上管理も簡単。
その製品が、どれだけ売れたかなども一目でわかります。
他にも、現金なのか、キャッシュレスなのか、性別、年齢層などもわかります。
月単位の売上管理も簡単です。
出店場所によっては、売上報告を求められるところもあるので、作業の効率化が図れます。
③基本的な機能だけであれば、無料で導入が可能。
売上の細部詳細情報、多店舗展開等を必要としないのであれば、無料で導入できます。
④自分のお店に合わせてカスタマイズできる。
あなたのお店の商材(販売メニュ・単価)を登録すれば、あなたのお店専用機になります。
キッチンカーはテイクアウト中心なので、税率8%が適用なのですが、
それらにも対応可能です。
以上のように、メリットばかりなので、導入しない手はないと思います。
POSレジ会社も色々ありますので、
自分で実際にショールーム等のデモ機などを操作してみて、好みに合うものを選択しましょう。
私はちなみに「スマレジ」なのですが、実際にショールームに行って説明等を聞いて決めました。
あと個人的には、レシート・ラベルプリンターも合った方が良いと思います。
出店場所によっては、売上明細書が必要なところもあり、
お客様でもレシートや領収書を求められるケースがあります。
また、容器で提供する場合、製品ラベルを貼ることが必要とする場合もあり(ポップアップ店舗出店等)
そういったことにも対応できます。
キッチンカーにキャッシュレス決済は必要か?
結論から言うと、
キッチンカーにおいて、キャッシュレス決済は導入した方が良いです。
当店では現在、
PAYPAY、楽天PAY、メルPAY、LINEPAY、D払い、アインPAY(東村山市限定)
を導入しています。
お客様のキャッシュレス利用率としては、年々上がっており、
今では、お客様の半数弱が利用されています。
当店は特に公園出店が多いため、更に利用率が上がっているのもあります。
公園で遊ぶ際に、財布を持ってきていなくても携帯電話があれば決済ができるので利用する側も便利です。
また、各決済会社において定期的にキャンペーンを実施しており、
○○%還元やポイントが貯まる等のキャンペーンがあり、
お得感があるのも利用率が上がる要因として挙げられます。
その分逆に現金のみの扱いの店舗においては、
知らずのうちにお客様を逃している可能性もあります。
他メリットとしては、
現金のやりとりが無い為、作業効率のUPがあります。
お客様がキャッシュレスの支払い手続きをしている間に作業準備をすることが可能です。
更に、金銭の受け渡しがない為、結果的に提供スピードのUPが図られます。
各決済会社に手数料を取られることを嫌がる事業者さんがいるかも知れませんが、
知らずのうちにお客様を逃している可能性や作業効率化と手数料を取られることを天秤にかけた場合、
どちらが良いのか選択してみてください。
また、キャッシュレス決済導入は全てWEB上で完結し難しい手続きも無いので、
それほど手間もかからず導入できます。
pasmo、Suica等の電子マネーは学生さんが利用している割合が高いので、
学生さん向けに販売する機会があるキッチンカーは導入を検討しても良いでしょう。
個人的には、クレジットカード決済は専用の端末が必要になったり、決済に多少時間がかかるイメージがあるので、
当店は見送っております。
お客様の利用率もそれほど多くない印象です。
以上の理由から、キャッシュレス決済は導入することをお勧めします。
キッチンカーの営業許可を取得しよう。
所轄の保健所を確認し、事前相談をしよう。
キッチンカーが納車され、必要機材等も揃いましたら、
いよいよキッチンカー出店営業に向けての手続きをしていきます。
キッチンカーで営業するには、保健所の営業許可が必要になります。
この営業許可は、各都道府県ごとに必要になります。
例えば、東京都と埼玉県で営業したいと想定した場合、
東京都と埼玉県の営業許可がそれぞれ必要になります。
※埼玉県は、さいたま市・川越市・越谷市・川口市においては別個営業許可が必要になります。
また、お住まいの地域によって管轄する保健所が変わってきますので、
先ずは、どの管轄の保健所になるか確認しましょう。
例えば東京であればこちらから確認できます。
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hcitiran.html
管轄の保健所を確認したら、事前相談にいきましょう。
2021年6月の食品衛生法が改正され、
キッチンカーにおける許可基準が全国統一になりました。
しかし、保健所の営業許可基準は、各都道府県で細かい部分が違っていたりします。
また、各保健所においても微妙に違っていたりするので、
管轄する保健所に事前確認はしておきましょう。
営業許可申請の概要を知ろう。
申請の際に必要な書類はこちらになります。
1.営業許可申請書
2.施設の構造及び設備を示す図面
3.営業の大要
4.許可申請手数料
5.食品衛生責任者の資格を証明するもの
これらの書類は、各ホームページよりダウンロードできます。
東京都の場合、ダウンロードはこちらからできます。
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kyokatodokede/youshiki.html#jidou
申請書書類の書き等も例示されていますので、特に難しいことはないと思います。
図面は手書きでも大丈夫です。
許可申請手数料は、令和6年6月より東京都で
新規取得の場合:18,000円
継続の場合:8,900円
となっています。
必要書類が準備できましたたら、以下の流れに沿って手続きを進めます。
1.所轄の保健所に連絡し、実地検査日の予約をします。
2.実地検査。キッチンカーを保健所に持ち込み、保健所の担当者の確認があります。
施設基準に適合しない場合は、不合格となり、不適合事項に関し改善し再度の実地検査となります。
3.施設基準に合格すると、営業許可証の発行となります。
発行までに10日〜2週間ほどかかります。発行後、再度保健所に受け取りにいきます。
営業許可証を受け取るまでは、営業出来ませんので注意しましょう。
4.営業開始。営業許可証を受け取ったらようやく営業を開始できます。
キッチンカーが施設基準を満たしているか確認しよう。
2021年6月の食品衛生法の改正により、基本的な施設基準は全国共通になりました。
基本的には、キッチンカー制作会社においてこれらの基準を満たした車を制作してくれるはずです。
ただし、細かい部分で各都道府県によって基準が違っていたりするので、
事前に管轄の保健所に確認し、キッチンカーの仕様打ち合わせの際に、要望として伝えておきましょう。
施設基準の参考例として、「自動車関係営業許可申請等の手引き」があります。
特に確認する項目はこちらになります。
1.運転席と調理場が完全に区切られていること。
キッチンカー制作会社に依頼して作ってもらう際は、問題ないと思いますが、
軽バンタイプを自作する際は気を付ける必要があります。
2.基準容量の給水・排水タンクを設置していること。
こちらは、2021年の法改正で給排水設備に必要なタンク容量が
40L、80L、200Lの3種類に基準が統一されました。
特に、約200リットルのタンク容量の場合、
車内で仕込みが可能になったのが、大きな法改正による変更点になります。
但し、どこまでの仕込みが可能なのかは各都道府県において違いがあるので、管轄の保健所に確認しましょう。
3.非接触水栓を設置していること。
2021年の法改正により変更になりました。
センサー式及びレバー式のハンドルを設置し、手以外でも操作できることが要件になります。
4.基準に合ったシンクの大きさ、数を設置していること。
大きさ、数にはついては、各保健所に確認しましょう。
5.収納ケースや棚の設置が適切であること。
6.手指を洗浄消毒する設備が揃えていること。
7.換気扇が設置されていること。
8.冷蔵庫・冷凍庫が設置されていること。
冷蔵、冷凍を扱わない商材の場合、不要です。
9.ふた付きのごみ箱を設定していること。
10.仕込み場所を確保できていること。
2021年の法改正により何が変わったか。注意事項は?
2021年6月より食品衛生法が一部改正されました。
これによりキッチンカーがどのように対応しなければならないかを確認していきます。
①営業許可の種類が、「飲食店営業許可」に統一。
2021年6月以前は、菓子製造業・喫茶店営業など販売する商材によって細かく営業許可区分が分かれていましたが、
これらが、「飲食店営業許可」に統一されました。
それに伴い、2021年6月以前に営業許可を取得しているキッチンカーは、
継続更新時には、飲食店営業許可での更新手続きになります。
必要な設備基準等も変わってくる可能性があるので、更新前に事前に保健所に確認しておく方が無難でしょう。
②基本的な施設基準の全国共通化。
水栓ハンドルの非接触タイプ、タンク容量の基準統一が主な変更点になります。
特に、タンク容量は約200リットル以上は、車内仕込みが可能になるのは大きな変更点になります。
但し、どこまで仕込みとして出来るかは各保健所のよって違いがあるので、確認しておきましょう。
③HACCP(ハサップ)の義務化。
2021年6月の食品衛生法の法改正により、HACCP(ハサップ)が完全義務化されました。
これは、キッチンカー事業者も対象になっております。
保健所においても、確認事項になっていますので、きちんと対応しなければいけません。
PL保険(生産物賠償責任保険)と施設賠償責任保険に加入しよう。
自動車保険に加入するのは、当然なのですが、
キッチンカー事業者は、
・PL保険(生産物賠償責任保険)
・施設賠償責任保険
にも加入しましょう。
PL保険(生産物賠償責任保険)とは。
製造もしくは販売した製品、また行った仕事の結果に起因して、他人へ身体の障害または財物を滅失・破損・汚損したりした場合、
PL法の規定に基づき、損害賠償責任を負わなければなりません。
対人・対物事故ともに高額の請求が発生するケースもふえており、自費だけで支払うのは非常に困難です。
また、キッチンカーの場合、食中毒の問題は無視できません。
キッチンカーによる食中毒事件も最近でも発生しています。
もちろんそのような食中毒事件を起こさないことは大前提ですが、
万が一の為に、PL保険には加入しておきましょう。
施設賠償責任保険とは。
自身が所有、使用もしくは管理する施設に欠陥や不備があり、他人に怪我を負わせたり、他人の所有物を壊したりした場合、
支払うべき損害賠償額を補償してくれる保険です。
また、施設における業務遂行上の対人・対物事故も補償の対象となります。
キッチンカーは場所を提供してくれる施設等に出店する場合が多いです。
万が一物損や他人に怪我をさせてしまった場合、高額な損害賠償請求をされる可能性もあり、
また、施設側にも迷惑をかけることになります。
出店要項に、施設賠償責任保険の加入が必須事項になっていることが大半なので、加入しておかなければいけません。
各保険会社でキッチンカー向けのこれらの保険が用意されいたりするので、
比較検討して決めましょう。
個人的におすすめなのは、
PL保険と施設賠償責任者保険が一体となった、
公益財団法人日本食品衛生協会が提供する「安心フード君」がトータル的に良いと思います。
リンクを貼っておきますので、確認してみてください。
https://www.n-shokuei.jp/kyousai/anshin_food.html
HACCP(ハサップ)の義務化に伴う、対応・導入方法。
2021年6月の食品衛生法の法改正により、HACCP(ハサップ)が完全義務化されました。
これは、キッチンカー事業者も対象になっております。
では、どのように対応・導入していけばいいのか。
HACCP(ハサップ)に関しては、こちらの記事にまとめてありますので、
ご確認ください。
キッチンカー事業者は適格請求書発行事業者登録(インボイス)対応は必要か。
インボイス制度とは、2023年10月1日から開始した複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式です。
正式名称を「適格請求書等保存方式」といい、
消費税の仕入税額控除をするためには「インボイス(適格請求書)」の保存が必要になりました。
では、キッチンカー事業者も、インボイスに対応した方が良いのか?
結論から言いますと、キッチンカー事業者がインボイスに対応するかは、現状様子見で大丈夫です。
理由等については、こちらの記事にまとめてありますので、ご確認下さい。
キッチンカーの出店場所を探そう。
キッチンカーを開業しようと決意し、いざキッチンカーを発注し、
待ちに待ったキッチンカー納車日が訪れ、
そこから、機材等を揃え、日々商品開発をし、メニュー表やPOPを作成し、
営業に伴う諸々の手続きをしてきました。
ここまで結構長かったですね。
しかし、ようやく出店できる段階まできました。
でも、キッチンカーの出店場所ってどうやって探したらいいの?
キッチンカーがあっても、出店できる場所がなければ営業できません。
それでは、キッチンカーの出店場所探しについて解説していきましょう。
出店先における自分の分類(セグメンテーション)を決めよう。
キッチンカーの出店先は大きく分けて5つの分野に分類されます。
この分類分けをマーケティング用語では「セグメンテーション」と呼びます。
出店先を決めるのに大事な要素となってきます。
先ずは、あなたの商材がどの出店先に適しているかをセグメンテーションします。
①ランチ型:弁当系、カレー、ケバブ、唐揚げ、ピザなど。
②公園型:わたあめ、クレープ、ホットドッグ、ポテト、珈琲、ドリンク、サンドウィッチ、かき氷(夏季)など。
③イベント型:焼きそば、たこ焼き、チェロス、ポテト、わたあめ、ドリンク、など。
④施設型:たこ焼き、たい焼き、唐揚げ、メロンパン、クレープ、など。
⑤空きスペース活用型
1つの型にこだわるよりかは、これからの型を複合的に組み合わせた出店にしていきます。
例えば、平日はランチ出店、土日祝は、イベント出店等の組み合わせになります。
詳細は、こちらの記事にまとめてありますので、確認してみてください。
セグメンテーションで、あなたのお店の大まかな出店先が定まったのなら、
具体的に出店先を探していきましょう。
キッチンカーで出店する方法5選
キッチンカーで出店する方法としては下記があります。
①自分で開拓する。
②キッチンカー出店を募集している場所・イベントに応募する。
③既にキッチンカーが出店している場所に応募する。
④出店先仲介業者を利用する。
⑤紹介・出店依頼を受ける。
それでは順に解説していきます。
①自分で開拓する。
キッチンカーの出店先を探す場合、先ずは自分で開拓するという方法があります。
手段としては、飛び込み営業、電話営業、DM営業があります。
私も最初は、自分でどれだけ営業先を見つけられるかを試したくてこれらの営業をしました。
緊張するし、非効率的だしでなかなかこれらをやっているキッチンカーは少ないと思います。
だからこそ、チャンスもあります。
自分で出店先を見つけられると出店料の交渉もできますし、
今後において優先して出店できます。
普段何気なく通っている景色の中に、
このスペースならキッチンカーが出店できそうだとか、
新しく施設ができた場合等に、この場所で出店できたらいいな、など
普段からアンテナを張っていることが大切です。
そして、思い切って営業してみると割合的には、10社営業したら1社くらいは話を聞いてもらえます。
面談の際は、きちんと商品詳細、プロフィール等の資料は準備したほうが良いでしょう。
②キッチンカー出店を募集している場所・イベントに応募する。
各SNSやWEB上にキッチンカーの出店を募集している施設やイベントがあるので、
これらの応募をします。
また、都道府県や区や市の自治体及び商工会議所がその区域の市役所や公園及びイベントでのキッチンカー出店を公募している場合があります。
このような出店募集の情報を逃さない為に、こまめにSNSやWEB及び市報をチェックする必要があります。
応募する際に、気を付けることは、
・出店料は確認する。
イベント等は、規模にもよりますが、高額な出店料で募集しているところもありますので
注意が必要です。
売上から20%以上を取られるようなところは実際に手元に入る金額が思っていたより少なく、
費用対効果が悪くなるので、その点を考慮しましょう。
・募集期間を確認する。
都道府県や区や市の自治体がその区域の公園のキッチンカー出店を公募している場合があります。
その際は、大体年1回の決まった期間での募集になっていますので、
チェックしておき、募集期間を逃さないようにしましょう。
また、定期出店場所の場合は、できれば事前に下見をした方が良いです。
実際の現場での人通り、スペース、周りの環境などをチェックします。
人通りがあっても周りに飲食店が多い場合、それだけ競合が多いということになります。
③既にキッチンカーが出店している場所に応募する。
各SNSにてキッチンカー事業者は大体出店場所を公表していますので、
それらをチェックして、応募します。
注意点としては、
その出店場所が既に仲介業者経由になっている場合は、応募できません。
また、自分がその仲介業者に登録している場合、
直接その出店先にコンタクトを取ることも規約違反になるので注意しましょう。
また、個人的にその出店先と契約しているキッチンカー事業者の場合、
横取りされたと思われる場合もあるので、やりすぎには注意が必要です。
その出店先が、広くキッチンカーを応募している場合のみ有効であると認識しましょう。
④出店先仲介業者を利用する。
今、かなりの数のキッチンカー仲介業者が存在します。
都心のランチから大型施設での出店、各大型イベントなどはこれらの仲介業者が斡旋している可能性が高いです。
これらの仲介業者に登録すると、募集一覧を見ることができるので、
それらに応募する形になります。
注意点としては、
仲介手数料が発生します。
大手仲介業者では、売上歩合の15%が主流のようです。
他にも、売上があまりないキッチンカーが応募してもなかなか希望通りの場所に出店できないことがあります。
キッチンカー事業者間で常に比較されることを認識しましょう。
逆に、売上が見込めるキッチンカーは一等立地に出店できるということがメリットになります。
また、イベント出店での声がけもあるでしょう。
⑤紹介・出店依頼を受ける。
キッチンカー事業者の間では、けっこう横の繋がりがあります。
同じイベントに出店したりした場合、話しているうちに仲が良くなったり、
SNSでやりとりするうちに仲良くなったりするケースが多いです。
その横の繋がりから、出店場所を紹介されたり、イベント出店のお誘いがあったりします。
他には、あなたのホームページや各SNSをみて、直接出店のお誘いを頂ける場合もあります。
注意点としては、
募集概要を良く確認しましょう。
主には、出店料・電源の有無・出店時間・
イベントであれば、会場規模、集客見込み、他キッチンカーの出店台数
等になります。
基本的には、紹介・お声がけ頂けることは大変ありがたいことなので、
私は、そういう場合には極力出店するように心がけています。
そうすることで縁も繋がり、広がっていくでしょう。
目先の売上ばかりに注力してはいけないと思います。
備考:キッチンカーは道路上で営業できるのか?
たまに、キッチンカーがオフィスビルの前の道路でお弁当を販売していたり、
遊園地等の観光場所脇の道路で販売しているのを見たことがある人もいると思います。
キッチンカーが道路で販売するには、道路交通法や道路運送車両法に基づき、
事前に、警察署から道路使用許可を取得する必要があります。
そして、この道路使用許可はキッチンカーの単独での販売利用が目的の場合、
基本的に許可がおりません。
よって、キッチンカーが道路上で営業している場合、基本的には違法行為と判断して間違いないでしょう。
営業許可を取得しているかどうかも怪しく、万が一食中毒等が発生した場合、
トレースアビリティも取れない可能性があるので、
くれぐれもこれらのキッチンカーから購入することは、辞めておきましょう。
キッチンカーにマーケティングは必要か?
結論から言うと、キッチンカーにマーケティングは、必要だと私は思います。
上記に記した、「セグメンテーション(分類)」もマーケティングの一要素になります。
知らずのうちにマーケティング的な要素を取り入れている事業者はいるかも知れませんが、
きちんと学習してそれを営業にに取り入れている事業者がどれ程いるでしょうか。
キッチンカー事業に関わらず、どの事業を立ち上げるにも不可欠な要素として、
「差別化」
「付加価値」
があります。
この2つを意識したお店作りをすることが重要になります。
その他にも、大事な要素はありますが、
こちらの記事を確認して頂ければと思います。
初出店の日にしてほしいこと。
キッチンカー初出店の日にやってほしいこと。
それは、キッチンカー納車日にしてほしいことにも書かさせて頂きましたが、
自分の今の気持ちを残しておいてください。
キッチンカーをなぜやろうと思ったのか。
やろうと決意してから今までどのような苦労があったのか。
それでも諦めずにここまで辿り着けた心境を残しておいてください。
いつか必ず振り返る時があります。
その時、自分は開業初日にこんな気持ちでいたのか、と
初心にかえることができます。
今ようやくスタートラインに立ったに過ぎません。
キッチンカー事業は決して楽な商売ではありません。
でも、なぜ私がいまだにキッチンカーでの営業を続けているのか。
それは、他の仕事では代え難い楽しさ、嬉しさがあるからです。
「キッチンカーには人を喜ばせる力があります。」
「キッチンカーには、地域を活性化させる力があります。」
「キッチンカーには、あなたの夢があります。」
この仕事の醍醐味をあなたにも知って頂きたい。
その想いでこの起業・開業までのステップ〜完全マニュアル〜を記しました。
キッチンカーを開業してからも日々学び続けることは必要です。
現状維持は退化です。
共に前へ歩み続けましょう!!
最後に。
以上、いかがでしたでしょうか?
私の経験や知識を踏まえ、今持っている情報の全てをこの記事に詰め込みました。
この記事を参考にして頂ければ、ゼロからキッチンカー開業まで辿り着けると思います。
私は、現役のわたあめ屋さんのキッチンカーでありながら、
キッチンカーの場所作りプロジェクトを運営し、
行政書士でもあります。
私自身「夢のキッチンカー」開業に向けて邁進し、なんとか開業することができ、
開業してからも、日々大変なこともありますが、基本楽しく営業しています。
人生において貴重な経験・体験ができているなと本当に実感しています。
そんな私が培ってきた経験を、これから開業される方に少しでもお役に立てればと思っています。
私もそうでしたが、実際に開業するにあたって、色々と疑問点やお悩みが出てくることと思います。
更にもっと情報を知りたい、当店から教わりたいという方においては、
個別に有料にはなりますが、コンサルティングもさせて頂いております。
内容としましては、
・メール等による質疑応答/回数無制限。
・月1回程度の打ち合わせ、コンサルティング。
・当店のキッチンカー営業体験 等
になります。
キッチンカーの開業相談や融資に関すること、または、営業許可取得支援から、
開業後の出店先の探し方等、
あらゆる相談・お困りごとについてサポートさせて頂きます。
先ずは、下記相談フォームから連絡頂ければと思います。