キッチンカー と言っても商売です。
お客様がいて初めて成り立ちます。
自車で商品を持ち、
開業し自分の商品を売り込んでいくには、
やはり「マーケティング」が必要になります。
お陰様で、まだ開業して間もないですが、
出店した際は、連日列を作って多くのお客様に集まって頂けます。
これは本当に感謝のみです。
ただその背景には「マーケティング」
を学び実践した結果が表れたとも受け取れます。
今回、自分がキッチンカー を開業するにあたって
どのようにマーケティングしてきたかを記事にしたいと思います。
マーケティングを学んだ相手は、「マーケティングの神様」
と謳われるフィリップ・コトラー氏です。(引用文は全てコトラー氏です)
それでは始めていきます。
まずそもそもマーケティングの意味として、
コトラー氏は下記のように述べています。
マーケティングとは経営そのもので、
消費者に自社を愛してもらうことが最終的なゴールです。
引用先:フィリップ・コトラー(※下記同様)
選択肢はいくらでもある過剰生産の経済において、ひとつの製品を際立たせ、
新しい意味と名前を与え、消費者の欲しいという気持ちに火をつける。
これが現代マーケティングの醍醐味なのです
いまだに販売(セールス)とマーケティングを混同している経営者がいるのには驚かされます。
マーケティングとは、製品やサービスに意味を与える仕事です。
自社製品に、意味を与えて世の中に送り出すのがマーケティングの役割なのです
先ずは自分の商品に自信を持つことが大前提です。
その自信のある商品を如何にお客様に欲しいと思わせるか。
そこにマーケティングの役割があると言うことです。
また、
マーケティングを学ぶにあたって下記の用語が重要になってきます。
ターゲット
セグメンテーション・カテゴリー
ブランディング・コンセプト
ライバル研究ベネフィット
プロモーション(口コミ、紹介)
アイデア・イノベーション
それでは各々説明していきましょう。
目次
其の壱 「ターゲットの明確化」
顧客を理解すること。そして顧客ごとの異なるニーズを見抜くことが重要だ。
自車の商品を誰に売りたいのか?
そのお客様が何を望んでいるのか?
何をすれば喜んでもらえるのか?
自分の商品でそれを満たすことができるのか?
そこをとことん考える必要があります。
ニーズ」とは、欠乏を感じている状態を指す。
「欲求」とは、人のニーズが具体化したものであり、
ニーズを満たす特定の対象のことである。
欲求に購買力が伴うと「需要」となる。
自車の場合、扱う商材はわたあめなので、
ターゲットとしてはお子様を中心としファミリー層、
孫を連れたシルバー層も該当します。
または10代、20代前半の女性もターゲットになります。
最初にこのターゲットを明確にすることで後の
カテゴリー、コンセプトも明確になってきます。
だから、最初のこのターゲットを決めることが
非常に重要になります。
其の弐「セグメンテーション・カテゴリー」競争相手を理解しようとする姿勢
マーケティング戦略を立案するためには、カテゴリーを明確にしておく必要がある。なぜなら、自分がどの領域で、どのような企業と競争しているかを明確にして置かなければ、マーケティング戦略は構築できないからだ。
ターゲットが明確に出来たならば、
次に自車の商品がどのセグメンテーション(分類)・カテゴリーになるかを理解しましょう。
例えば「キッチンカー 」と一口に言っても
弁当系を扱うランチ営業なのか、
クレープ・かき氷などのデザート系なのか、
によってターゲットも変わるし売る場所も変わってくる。
クレープをランチ時間のオフィス街のど真ん中で売っても
他の唐揚げ弁当やタコライス屋などの
キッチンカー には負けてしまうのは明確です。
自車はわたあめなのでカテゴリーはより明確になります。
まずランチ時間のオフィス街で売っても100%売れませんよね。
なので、お子様が集まる場所、遊戯施設・公園などがメインカテゴリーになります。
あとこれは自分の私見ですが、
クレープは商材として難しいと思っています。
それは汎用性が高すぎるからです。
デザートにもなるし惣菜にもなる。
そうなるとターゲット、カテゴリーがブレますね。
デザート系なら公園メイン、
惣菜系ならスーパー?などに分かれますね。
そのターゲット・カテゴリーがブレている
クレープ屋さんが非常に多いように見受けられます。
また、定期的にスーパーの軒先によく出店されていると思いますが、
個人的には難しいと思っています。
(イベント、オープンセールは除く)
何故なら、スーパーの中により安く種類の多い競業が多く存在するからです。
自分の商品によっぽど自信があれば別ですが、
そもそもお客様はスーパーに買いにきているのであって、
キッチンカーを目当てに来ていません。
たまたま目に止まり、惣菜の足しに購入する程度なのではないかと
思うので、大きな売り上げは見込めないと思います。
(あくまで個人的な意見ですが)
また、一台のキッチンカー でたこ焼きやポテト、かき氷など
複数のバラバラの商材を扱っているキッチンカー もありますが、
これも、ターゲット・カテゴリーの関連で見ると難しいように感じます。
汎用性の高い標準的なキッチンカー で終わってしまうからです。
自分の商品のターゲットを明確にし、
そのターゲットが多く集まるカテゴリー(場所)に出店することが大事です。
先日、公園を下見した時に、年季の入った言い方悪く言うとボロい
キッチンカーで唐揚げを売っているキッチンカー が出店していましたが、
これでは幼少の子供がいるファミリー層は寄り付きませんね。
完全にターゲット・カテゴリーを間違えてます。
其の参「ブランド・コンセプト」
自分のカテゴリーがわかれば、
それと同時に競争相手(競合他社)を認識することに繋がる。
その先で、自社製品に付加すべき特徴、
もとい差別化すべきポイントが見えて来るのだ。
同じカテゴリーの相手と同じ物を売っていても
売上は上がらない。
そこで次に大事なのが自車ブランド及びコンセプトです。
ブランドとは自車商品にしかない強み・付加価値を付けることです。
私は、ブランドとはマーケティングの部分集合だと位置付けています。
マーケティングは市場、すなわち顧客と向き合うことそのものです。
ブランドはそのための道具なのです。
マーケティング活動のあらゆる要素を結び付ける接着剤といえば、
イメージが湧いてくるでしょうか
そうすれば、価格において、最低価格を
つける必要はなく、
高価格でもそれにふさわしい価値があるように
自車商品を差別化することができます。
またブランディングするにつけて自社のコンセプトを決める必要があります。
どのようにしてその商品を売っていくかの方向付けですね。
自分の場合、わたあめで
「笑顔と非日常体験をお届けする」
がコンセプトになります。
ですので、この笑顔と非日常体験を
如何にしたらお届けできるかを思考するわけですね。
そこで自分が考えたのが
「キッチンカーに乗ってわたあめ作り体験」
になります。
普段なかなか乗ることできないキッチンカーにのれて
本格的な機械でわたあめを作ることができる。
これだけで「非日常体験」を味わえます。
そして作っているお子様、それを見守る親御さんも笑顔にすることができる。
競合他社もいないことから、差別化もできます。
それだけで価値がありブランディングできることになります。
多少価格が高くてもお客様はその価値に支払うことになるのです。
その為に、自車は外観・内装にも拘りました。
可愛らしさをテーマに車体カラー、外装を決め、
内装もお子様や若い子が入ることを想定し、
可愛らしさ、オシャレ感を追究しました。
味は良くても、キッチンカーの外装がイマイチなキッチンカー が
多く見受けられますが、それだけで損している部分があると思います。
拘る分、初期費用は高くつきますが、
他車との差別化を図るには必要であると自分は思っています。
それから、
最大の問題はライバルが出現したことではなく、ライバルの出現を脅威と思わなかったり、無関心だったりすることです。
自車商品の味やコストダウンに注力するのもいいが、
もっと競争相手を意識するべきです。
競争相手より自車商品は何が優れているのか?
仲良しこよしでは、横の繋がりは出来ても
知らずのうちに、お客様は離れていくと思います。
よくキッチンカー同士で仲良く出店先やSNS上でやりとりする光景が見受けられますが、
横の繋がりは確かに出店場所を紹介されたりすることもあるので、
悪いとは一概には言えませんが、
先ずはお客様ありきで発信しないと先はないと思います。
ターゲットは同業者ですか?
違いますよね、お客様です。
そのターゲットがブレないようにしましょう。
なので、自分は出店が具体的になるにつれてSNSの発信内容も
変えていきました。
それまではどちらかというと精神論、同業者向けへの応援などがメインでしたが、
今はお客様、出店先様へ向けての発信がメインになってます。
インスタグラムは完全にその発信のみです。
SNSの発信がなくても売れているキッチンカーは数多く存在します。
また、売れているキッチンカー にはやはり相応の理由があります。
自分は開業前に結構色々なキッチンカーを訪問しましたが、
売れているキッチンカーはターゲット・カテゴリー・味
店主の人柄も含めたブランディングなどがはまっています。
そういったライバル研究はやはり常日頃からチェックするようにしていきましょう。
其の駟「ベネフィット 」ストーリを魅せる
ターゲット・カテゴリー・ブランディング・コンセプトが
定まったなら、次に必要なのは
ベネフィット です。
ベネフィット とは簡単にいうと
「お客様に寄り添う」ことです。
お客様がその商品を購入することによって、
どのような体験を得られるかを明確に見せれるかが重要です。
「自分の理想な未来のストーリを見せる」
これはよくTVCMの技法で使われます。
不動産のCMならば
購入した人がその家に住むことによってどんな人生を
送ることができるかを見せるのです。
先日見たCMでドコモ携帯がありましたが、
ターゲットが老夫婦で、携帯をスマホに変えることで
写真を撮ることができたり、孫とテレビ電話で会話することができる
映像をストーリー仕立てて見せていました。
これは完全にベネフィット ですね。
CMのほとんどがこのベネフィット 技法で作られていると言っても過言ではないです。
自車で当てはめると、
「わたあめで笑顔を非日常体験をお届けする」なので、
如何に楽しい時間を過ごせるか、また楽しい思い出を残せるかを
見せていけばいいのです。
なのでPOP、SNS上で子供がわたあめを持ち楽しそうに
車内から顔を覗かせる画像を採用しました。
購入者の方が自分もそうしたいと思わせる演出を取り入れてます。
其の伍「プロモーション」(口コミ、紹介)を活用する
お客様に購入していただけるところまできたら、
あとはそのお客様の声を活用した
プロモーションをしていくことになります。
今はSNSが発達した時代なので、
個人でも影響力を持っている方は必ずいます。
そういう方は色々なところから情報収集をしていて
自分で購入・体験して発信までするので
このお客様の心を掴むことがプロモーションには大事になります。
お客様を満足させることが出来たのであれば、
あとは勝手に宣伝してくれるので、周りで拡散してくれます。
先日自分も購入してくれたお客様が発信してくれました。
それがこちらです。
こういった「お客様の声」は
大事なので、自分のSNSでも貼り付けて発信するようにします。
購買者の決定プロセスとして、
「ニーズの認識」
「情報探索」
「競合製品の評価」
「購買決定」
「購買後行動」
の5つの段階からなります。
そのプロセス過程の参考として、口コミがあるので
お客様の口コミがあった時が最大限利用するのが
常套ですね。
その為には、
お客様が購入前に期待したことより上回ることができているか?
が大事です。
もし満足して頂けたなら、リピーターになる、
SNSなどで広めてくれる、などの可能性がある。
だから購入してくれたお客様の声を聞くこと、
後ろ姿を疎かにしてはいけないのです。
なぜ顧客を満足させることが、それほど重要なのだろうか、
それは会社の売上が、新規顧客と固定客、
この2つの基本的な集団から生まれるためである。
其の六「アイディアこそ、最も重要な資産」
ボツになったアイディアは記録しておくべきだ。ボツになったアイディアの山が、別の人のインスピレーションになるのだ。
お客様を満足させる為にはどうしたらいいのか?
あなたが、常にその商品に対して思考していれば
アイデアが必ず浮かんできます。
そのアイデアはどこに潜んでいるかわかりません。
テレビ、本、ネット、SNS、日常会話。
色々なところに潜んでいます。
なので常にアンテナを張って、
その情報をキャッチできるようにしておきましょう。
自分の場合、キッチンカーでのわたあめ作り体験は、
親戚の家へお邪魔した時に、義兄は何気なく言った
「そういうのがあると面白いよね」
その一言から形にしました。
もしアイデアが思いついたら、
そのアイデアは貴重な資産になります。
右から左へ忘却するのはもったいない。
必ず書き留めておきます。
そのアイデアが意外なところで役に立つ時がきます。
また自社の商品についても常に改良していくことを
心がけていきましょう。
変化がなくマンネリになるとお客様は離れていきます。
「創造とイノベーション」を常に意識し
常に変化・前へ進むことを意識する。
現状維持は退化だと常に思っておいた方がいい。
最後に「根本的な問題こそ、マーケティング上の最大の難問」
自分に次の問いかけをしなければならない。我々の事業は何であるのか。我々の顧客は誰であるのか。消費者は何を価値のあるものと評価するのか。事業はどうあるべきか。一見単純なこうした問いは、企業がたえず答えを出さなくてはならないものの中で、最も難しい問題である。
マーケティングって言葉にするとなんか難しく思えますが、
実は商売をするにあたって当たり前のことを
当たり前にすることが重要なのだということに気付きます。
しかし、その当たり前なことも私たちは忘れがちになります。
現状に満足していないか?
自己満足に陥っていないか?
今一度自分が大切にするお客様目線で行動すること。
それこそがマーケティングではないかと思います。
最後に、マーケティングにおける
セルフチェックシートを作成したのやってみて下さい。
定期的にチェックしてブレてないかを確認しましょう。
●自分が商売をするにあたってのポリシーは何ですか?
来て買ってくださったお客様を笑顔にしたい。
●お客様とは誰ですか?
第一に子供達。
その子供達を愛しているパパママさん達。
●そのお客様は何を求めていますか?
普段体験できない非日常体験をしたい。
面白いこと、ワクワクする体験をしてみたい。
その為に購入する。
●自分のカテゴリーは認識していますか?
「非日常体験を提供する」なので、
お客様が楽しみに来ている場所、
ファミリー、子供たちが集まる場所、
がメインになります。
●自社製品のブランド(強み)は何ですか?(競合他社を意識してますか?)
花束みたいなわたあめを作ること。
非日常体験をして頂くこと。
現時点でこのサービスを提供している競合他社はいない。
●お客様がその商品を購入したことでどんなストーリーを得られますか?
わたあめを購入、体験することで
その場での笑顔、満足感を味わえます。
また体験することで家族の思い出の1ページに残す
ことが出来ます。
●常に創造とイノベーションをしていますか?
常に自分が体験したこと、想ったこと、感じたことを
あらゆるメディアで発信(アウトプット)していくことが、
創造とイノベーションに繋がっていく。
自分の学びの為に記しましたが、
読んでくれた方が少しでも参考になったと思って頂けたら
嬉しいです。
以上、最後までご愛読ありがとうございました。